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弱者が悪を目指した黙示録  作者: ヤヤ
第一章 弱者の周りに集うは強者
1/13

00.プロローグ

本作は過去に公開していた

「弱者が悪を目指した黙示録」の改訂版です。

ストーリーを大幅に書き直しています。

「ねえ、ジル。終わりにしましょう」


 桃色の髪を揺らしながら、彼女は言った。

 同じ色の瞳を細め、柔らかく微笑むその姿を見て、

 ジルもまた、静かに笑った。


 ここには二人しかいない。


 互いの瞳に映るのも、互いだけ。


 遠くでは仲間たちが見守っている。

 泣きそうな顔で。

 苦しそうな顔で。

 寂しそうな顔で──。


「いろんなことがあったね」


 彼女はそっと手を伸ばす。


「ずっと二人で手を繋いでいられたら……どんなに幸せだっただろう」


 優しい風が吹き、二人の髪を揺らす。衣服を揺らす。

 まるで踊っているようだった。

 ただひたすらに、美しく。


「ごめんね、今まで」


「俺も、ごめん」


 彼女は少しだけ寂しそうに笑う。


「これで──三回目ね」


 ジルは少しだけ目を細めた。


「ああ」


「楽しかった?」


「最高だった」


「幸せは受け取れた?」


「いろんな奴のお陰でな」


 彼女の手が、そっとジルの頬に触れる。


 ジルはその手に自分の手を重ねた。


 そして、静かに下ろすと

 少しだけ俯き、柔らかく笑う。


「──大好きだったよ」


 いつも。

 いつでも。

 いつまでも。


 君がいたから、今の俺がいる。


「俺の大好きなミーリャ。俺の大っ嫌いな正義」


「私の大好きなジル。私の大嫌いな悪役」


 さよならの声と共に、二人は目を閉じた。


 その瞬間──


 風を切る鋭い音。


 そして。


「ジル様!!」


 仲間の泣きそうな声が、世界に響いた。


 その声を最後に――


 ジル・デラニアスは、この世界での三度目の生に蓋をした。

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