赤髪の魔女は、嫌われる
赤髪、金色の瞳を持って生まれることはその家が破滅すると言われていて、魔力の強い子供は親であろうと迫害されていた。
「ありがとうございました。貴女に恋の魔法があらんことを」
最後のお客様を見送り、看板をCloseと魔法で裏返しお店の鍵が閉まる。シルキーが揺り椅子に深く座ると足を、だらんと伸ばした。
「ノワ!疲れた!お腹空いた!」
「はいはい。夕飯の用意してるからとりあえず、クッキーと甘い紅茶飲んで、待ってて」
ノワールが魔法で、トレーに乗ったティーカップとティーポット、チョコクッキー、バタークッキーや、マドレーヌ、甘い紅茶とお菓子が沢山のったお皿がシルキーのテーブルに並ぶとシルキーが指をちょいと動かした。ティーポットが宙に浮いて、熱々の紅茶がティーカップに注がれる。
「げっ!紅茶、激甘にしたのに角砂糖まだ入れてるやがる!」
「だって、魔力も使い切ったら、こんな甘さじゃ足らないもん!」
角砂糖を5つも、カップにボトボトと追加で入れる姿に、ノワールが苦虫を噛み潰したような顔で見ていた。
「そのうち、病気なるよ」
「ならないよ。ノワだって知ってるでしょ」
木の机に頬つえをしながら、ティースプーンをクルクル回すシルキー。エプロン姿のノワールは、何も答えないまま夕食を作り始めていた。
…怪我をしても、勝手に治癒してしまう。病にかからないから、不老不死の状態だ。あと1つ呪いがかかっている──────────
「旦那様、産まれました!女の子でございます!」
侍女たちが、執務室で首を長くして待っていた、私のお父様に知らせが届くと、急ぎ足でお母様の寝室に向かって行った。寝室に入るとベッドで、休むお母様に寄り添い、お父様が労いの言葉をかけていた。
「旦那様、女の子でございます」
侍女から手渡された白い絹に包まれた私は、お父様の顔を、認識し見えていた。私と目が合った瞬間、笑顔だったお父様の顔色が変わったのを感じると侍女に私を押し付け、部屋を後にした。
執務室の扉を乱暴に開け、椅子に腰を下ろすと拳を机に叩きつけ、書類やインク類がこぼれ落ち、ポタポタと机から黒いインクが流れ絨毯に広がっていた。
「赤い髪……魔女…私の子が魔女の子だと……!」
…そう、私は魔女の生まれ変わり。お父様は、私を離れの屋敷に隠し乳母と、侍女数人での生活。お父様は、魔女を忌み嫌いお母様には、私は死産だと伝えたのだ。
シルキーの座る揺り椅子がキイキイと、揺れ暖炉の火が灯り薪がパチパチと音を立てていた。
シルキーの生い立ちが続きます。




