バレンタインデー特別編
バレンタインデー特別編に、あのお客様が?!
チリンチリン。お店のドアに取り付けた、鈴がお店に響いた。
「いらっしゃいませ。本日はどのような恋のご相談でしょうか?」
赤い髪色を後ろで束ねた、背の低い小さな少女と、隣には執事の装いのタキシード姿の男性が立って、お客様を出迎えた。
「あの…明日、愛する人に贈るバレンタインデーという日があるのですが……」
身なりからして、貴族以上のお客様のドレス姿にシルキーが、手を後ろにしグッとサインをノワールに送ると、紅茶を用意しに奥に下がった。
「明日は確かに、愛する人や想い人に贈り物を渡して愛を伝える日と、お悩みのお客様が大勢当店をご利用頂いております。どのようなお悩みでも、この、恋の魔法店、シルキーにお任せくださいませ」
シルキーが、にっこりと微笑むとノワールがお客様にお辞儀をしながら、特別室に案内をした。
「アフタヌーンティーをご用意いたしました。本日の紅茶は…」
「まあ、ミルティー見てちょうだい!このケーキ、なんて美しいのかしら!」
女性客が、アフタヌーンティーで用意したノワール特性の、チョコレーヌケーキを見て、感激していた。
「こちらは、チョコレーヌケーキでございます」
「素晴らしいわ。こんな美しいお菓子を見た事がないわ!」
「お褒めに預かり、私も嬉しく思います」
お辞儀をするノワールに、シルキーがチラッとノワールを見て、苦虫を噛み潰したような顔で見ている。
「そうだわ!ミルティー、この素晴らしいチョコレーヌケーキを、あの方に作って贈るのはどうかしら?」
ソファーからいきなり立ち上がる、女性客の隣にいた侍女らしき女性が、慌てて声をかけた。
「リズ様!レディーがいきなり立ち上がってはなりません!それに、貴女様は……」
耳打ちをしてるが、魔女だからか、口の動きだけで目の前の方が隣国から尋ねてきた、王妃様であることに、飲んでいた紅茶を盛大にむせるシルキー。背中を摩る、ノワールに念話を飛ばした。
……ノワ!このケーキに、変なもの入れてないわよね?
……僕がヘマなんかするもんか!ヘマをするのはシルキーしかいないよ!
……目の前のお客様がまさかの、王妃様とかどう接客すればいいの!
……僕が知るわけないだろ!
二人で念話しながら、話をしていると応接室の扉がコンコンと鳴り響いた。お客様の対応中は、必ずCloseと、看板に変わってたはずなのにとノワールにドアを開けさせ対応を任せようとした。
「げっ!」
思わずシルキーが、素のリアクションを出すものだから、ドアの前にいたロア·イーグル·ハーペストの姿を見てややこしい奴が来たと、あからさまな表情のシルキーを無視して、ロアが女性客の前に出ると、右膝を着いてそっと、女性客の手を取り挨拶をした。
「リズ·アバンド·オリエンダー王妃、こんな薄汚い魔法店に、来店なさらずとも御用があれば私が、オリエンダー国までお悩みをお聞きしに行きましたのに」
「まあ、ロア王太子殿下昨日の夜会は……」
二人で何やら話をしていたが、シルキーの苛立ちが募っていて、ノワールに念話が激しさを増していた。
……薄汚いって言いやがった!王子キャラに変貌するし。本当、昔から猫だけは被りやがって!
……僕みたいな、猫の皮かぶった人間?
……ノワの馬鹿
……シルキーより馬鹿じゃないもん
……ノワ!ちょっと黙ってて!
「ロワ王太子殿下、今日は、何の御用で?」
「ああ、シルキーさん。僕が来たからもうお店に戻って頂いて構わないよ」
「わ·た·し·の!お客様なので、ロア様がお帰りになられたら?」
笑顔見せてるが、明らかに笑顔が引き攣るシルキーに、リズが二人を交互に見て何だか懐かしいようなものを感じ取ると、ポロッと声に出していた。
「お二人とも仲良しなんですね。私たちの若い頃を見ているようだわ」
扇を広げて、クスッと笑う姿に声を揃えたロアとシルキー。
『『断じて、違います!』』
二人がハッとして、気まずそうに黙るとノワールが軽く咳払いをして間に入り、チョコレーヌケーキのレシピをリズに手渡した。
「こちらが、当店バレンタインデーメニュー、チョコレーヌケーキのレシピで、ございます」
リズが紙を持ち上げ、読んでると、リズが扇を広げ、何やらミルティーに耳打ちしている。
「あの、すみません。リズ様はお料理や、お菓子を作ることが…」
リズは恥ずかしいのか顔を隠した。今日しか時間がないことに、ノワールが考えていると、シルキーが指をちょんと、空の小瓶に手を触れた。
「こちら、当店の秘薬になっております。どんなお料理にも、どんなお菓子にも一雫入れるだけで、とびきりの味になります」
「まあ!この、透明の液体が美味しく出来上がるのかしら?」
リズが小瓶を持ち上げて、ミルティーに見せていた。
「毒などは大丈夫なのでしょうか?」
「お待ちください。ノワチョコレーヌケーキを」
ミルティーが、不安な顔で質問を私に投げかける。ノワールが、切り分けたチョコレーヌをお皿にのせて、シルキーにお皿を手渡した。秘薬の小瓶の蓋を外し、一雫、落とすと切り分けたチョコレーヌケーキを、塊のままフォークをさして、隣に座るロアの肩を叩いた。振り向いたロアの口にチョコレーヌケーキをシルキーが無理やり、ロアの口に突っ込んだ。
「ふごっ!」
口をもごもごさせながら、何か言ってるロアを無視して、営業スマイルを向けるシルキー。
「こちらの方も何事もなく、美味しく召し上がってるますので、ご安心してお使いくださいませ」
「口に突っ込むのが、鍵なのですね!」
リズは、シルキーの秘薬を購入すると魔法店を退店されました。
「ご来店ありがとうございました。素敵なバレンタインデーを」
お見送りが終わり色んな意味で疲れ果てた、シルキーは、激甘紅茶スペシャルをノワールにお願いしていると、後ろからロアが不機嫌そうに声をかけた。
「おい!」
「あ、ロア王太子殿下まだいらっしゃいましたか?出口は、あちらです」
シルキーの棒読みに、ロアが何か言ってるが、シルキーは遮断魔法を使って、周囲の音を消していた。
「遮断魔法を使いやがったな……」
ロアが痺れを切らして、シルキーの腰を掴み体を引き寄せた。
「な、何すんだこの変態!猫かぶり王太子!」
「へぇ?」
「魔女だから、何したって平気だし」
「ほぅ。そうかそうか。その余裕はいつまで続くのかな?魔女様」
シルキーの顎を持ち上げて、ニヤつくロアの瞳がギラついていた。シルキーは抵抗して、ロアからの熱視線を逃れようとするがロアが、逃がしてくれない。
「あのさ、一言いいかな?イチャつくのはいいけどさ」
ノワールが持ってきた、紅茶セットのトレーを持ったまま、視線が店の扉を見ている。忘れ物をしたと、リズが引き返し店に入って、シルキーたちを見ていた。
「あ、私のことはお構いなく」
扇を広げながら顔を隠すリズがチラチラと、二人を見ていると、ミルティーが静止していた。
「ロアの、ぶぁ〜かぁぁ!!!」
感情が爆発したシルキーの絶叫が店に響き(遮断魔法を使ってます)、ロアは顔が真っ赤になりながら、額に手を当てて俯いてます。ノワールがため息を漏らしながら、どっちもだよなと、冷めた目で二人を見つめるのでした。
毎年、僕にチョコレーヌがお客様から山ほど届くけど、本物の猫にチョコレーヌはあげたらダメだよ♡
恋にお悩みのレディーたち☆
素敵なバレンタインデーをノワール☆
バレンタインデー特別編♡特別コラボとして、リズ、ミルティーを出しました(*^^*)※ミルキーではなく、ミルティーの名前が正しいのに、名前を間違えて掲載していました。訂正しお詫び申し上げます。ポンコツな作者ですみません( _ _)"
ノワールのバレンタインデーの特別編の、前のお話になる形で執筆させていただきました。新連載中のお話も、投稿していくので是非ブックマーク登録、高評価マーク(リアクションスタンプ)、高評価推してください!お待ちしております!




