#2捨てられた男
あれから私は人生の底辺、地獄のような日々を送っていた。
妻が出て行ったことを知った両親とは喧嘩なり・・・
職場では私を憐れむような視線が突き刺さる・・・
友達や知り合いに会うたびに現状を説明・・・
中には聞かないで知らんぷりをしてくれる友達もいた・・・
しかし聞かないでおこうという気遣いさえ私には地獄でしか無かった。
もううんざりだった・・・死にたいとさえも思ってしまった
子供に会いたい・・・
人は解決策が見つからないともう無理だダメだと・・・
もう終わりだと思うみたいで、その時の思考は本当に狂っているのだと思う。
しかしそんな時でも、やはり支えてくれる友人も中にはいた。
本当に今はそいつらのお陰で生きていると思っている。
そして少しづつメンタルも安定してきた頃。
妻子たちは妻の実家に帰っていることがわかった。
私はなんとか説得を試みたが、そんなものは受け入れられるはずもなく。
出て行ってどのぐらいが立ったのであろう・・・
・・・しばらくして妻から離婚の申し出がきた。
妻からの一方的な申し出・・・
しかし私は渋々離婚届に判を押すしか無かった。
離婚成立後もなんとか復縁できないものかと色々、頑張ってみた・・・・
が虚しくも元妻の心を動かすことはできない、のれんに腕押し。
しばらくして突然、元妻からの連絡は途絶え音信不通になったのだ。
そして程なくして再婚したとの噂を耳にしたのである。
というか最初からわかっていた・・・・
認めたく無かった・・・・
元妻にはやはりずっと後ろ盾がいたのだ。
いつから関係があったのか?
以前に浮気を疑った時からなのであろう、離婚した途端に堂々と存在が現れてきたのだ。
男の浮気は副業、女の浮気は転職とはよくいったものだ。
早く再婚したいがために離婚することに焦っていたに違いない。
そう私はそこで復縁を諦めた・・・
潔いなんて言わない。辛かった・・・
自業自得?天罰?ツケが回ってきた?
なんとでも言えるだろう。
度重なる拒絶、否定によりプライドはズタボロ
男としての自信の全てを失っていく感覚・・・
そこにいるのは自分では無い違う誰か・・・
恐ろしくも残酷な現実を受け入れるたびに自尊心は壊れていく。