No.006 気持ちを切り替えよう
年末を迎えて、新しい年を迎える。
夢乃はもう和也の事は忘れようと思っていた。
振り込んだ1万円のことは、忘れよう、もともと知り合いじゃないし、信じた私が悪いと自分を説得させ決断したのだ。
そんなある日、メールが届く。
和也「あけおめ、なかなか連絡できずごめん、入院してた、あと返金できず申し訳ない、口座番号のメモを失くしてもう一回教えてほしい」
はぁ???しかなかった。この時代にそう簡単に入院って・・・する?っていうか通院のまちがいじゃないか?と思ったのだ。心の中の叫び事である。
またそれなのね、ほぼ信じれず、疑いに変わっていく。存在はあるにしてもその人物の情報すべてが、分からなくなった。
ほんとに仕事してるの?孫にブローチ送ったの?年齢は事実なの?疑いだしたらどんどん恐ろしく疑えるのだ。
夢乃はメールの返事に"わかったよ、送るね 銀行名・口座番号"を送信した。
次の日、1万円の送金があった。貸したから返ってきた話だけど諦めてたから、どこか得した錯覚感に見舞われた。
忘れるために、一気に無視するのではなく、"あなたのことは信じてます"を装い様子をみながら、交流をする。
今まで通り、日常の挨拶はたまにメール送信する。その送信回数を減少させ、交流を停止する計画だ。
ところが次は、"発熱で肺炎で入院してた 昨日午後退院した なかなか返信できなくてごめん"そのセリフももうあきたのである。
"いいよ、いいよ気にしないで 私からの送信楽しんでくれたらそれでいいよ"
と心とは裏返しの表現で返信した。
ここまでくると、マネジャーになるなんていう宣言はフェイクだと、口だけだったんだと証明される。気づくのにちょっと遅いかもしれないが・・・・・
残念でならない。