No.003 人の役に立てるなら・・・
数少ない返事は益々減少していく。
数日後「5千円は、25日に返金するね、振込先を連絡ください」とメールが届く。
夢乃はすぐ、振込先を送信した。
和也「振込先情報ありがとう、25日に返金します、ほんと助かりました、今度ビデオ通話しましよ、お互いの顔知っておきたいよね」
夢乃は確かに、ほんとに存在するのか?という、思いもあった。
この5,000円は余裕の資金ではない、"飢えから解放させてあげる、人の役に立てるなら"、という思いが強かったから承諾した行動なのだ。
しかし、その後、やり取りはどんどん少なくなる。心に引っかかっていても、もやもやするから、楽しいことや好きな音楽を聴いて、リラックスする時間を作った。交流することさえなかったような日々が数週間経過する。
和也「久しぶり、ビデオ通話できる?」
夢乃「もう少し待って、家事終わらせるから、終わったら連絡する」
和也「じゃ、待ってる」
・・・・・・
夢乃「選択、片付け、やっと終わったよー いいよー」時刻は22:15。
和也「かけるね」
夢乃「もしもし、ひさしぶりぃ、元気しとったのぉ」
和也「うん、元気は元気やよ、ビデオ通話切り替えるて話そうよ ビデオのマークタップすると切り替わるからやってみて」
夢乃「わかった」・・・・・・
和也「わあ、若く見えるね」
夢乃「ハーフみたいに見えるけど、日本人だよね」
和也「よく言われるんやわぁ」
夢乃「ちょっと途切れるね、画面が停止しちゃうよ 顔見れたし、通話に戻そう、私かけ放題プランになってるから、こっちから電話するわ 一旦切るね」
和也「了解」
・・・・・
夢乃「もしもし、通話のほうがいいねぇ どこ見て話していいかわからなくて、会話できなくなるわ」
和也「まあね、それはわかる ほんと助かったよ恩人、25日返すね・・・」
など、いろんな話をして盛り上がる。通話していると"疑う気持ち"は、一旦眠りについてしまうのである。
そして、25日5千円は口座に返金される。
和也「振り込んだよ、確認してねありがとう、また連絡する」
夢乃は数日後確認し、"確認したよ"送信した。
その後のやり取りは、中断される。