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加藤良介 エッセイ集

ファンタジー小説老人会

作者: 加藤 良介

 皆様こんにちは。加藤良介でございます。


 ネットの情報で、なろうのユーザーって、30代から50代の年齢がボリュームゾーンって聞いたんですけど、本当なんですかね。

 私にはちょっと信じられないです。

 特に小説を書いてる人がこの世代でしたら、なろうの作品群があんなことにはならない気がする。

 と、いう訳で今回のテーマは、私の歳がバレる企画。 

 私が影響を受けた、ファンタジー小説ランキング。

 パチパチパチ

 


 第十位 「グイン・サーガ」 栗本薫


 全巻読んだ奴いない説濃厚な、一大叙事詩。

 豹の頭を持つ屈強な戦士「グイン」が主人公。

 私は高校の図書館に大量に蔵書されていたので、毎日三冊借りて、夜遅くまで読みふけったものです。

 独特の風韻がある作品なのですが、台詞がやたらと長いのが玉に瑕。

 何巻まで読んだかは、覚えておりませぬ。100巻までは行ってないと思われ・・・



 第九位 「風の大陸」 竹河聖


 幻想系ファンタジー小説の傑作。

 幻の大陸「アトランティス」を舞台に、精霊使いの青年と、亡国の御姫様、流しの傭兵が、共に大陸各地を旅する作品でした。

 魔法の描写と、徐々に砂漠化していくアトランティスが、非常に象徴的で素晴らしい。



 第八位 「ソードアート・オンライン」 川原礫


 皆様ご存じ、21世紀のファンタジー小説の金字塔。

 ゲームの世界にとらわれた主人公とヒロインという、なろうの基本中の基本を押さえた作品でした。

 普通にストーリーが面白いし、ネトゲの要素をふんだんに取り込んで構成されており、当時は斬新でしたね。

 ちな、第二章の「ファントム・バレット」が特にお気に入りです。第一章の焼き直しの「プログレッシブ」もよか。

 アニメも最高。



 第七位 「皇国の守護者」 佐藤大輔


 架空の世界で、帝政ロシアみたいな国「帝国」と、明治日本政府みたいな「皇国」の、血で血を洗う全面戦争を描いた作品。

 兎にも角にも、私の中のミリオタ魂に訴えかけてくる傑作でした。

 戦争物の近現代史的作品ですが、テレパシーとか、竜とか、でっかい猫とかも出てくるので、ファンタジー成分は接種可能です。

 作者の佐藤大輔先生がお亡くなりになられたので、未完のままとなってしまいました。

 無念でならぬ。



 第六位 「アルスラーン戦記」 田中芳樹


 銀英伝キチの私には外せない作品ですね。

 イスラム化されていない架空のペルシャを舞台に繰り広げられる、戦争叙事詩。

 三国志演義に近い作風で、勢力ごとの描写も丁寧。

 説得力の強い戦闘描写に、奇想天外な作戦案。流石は田中のよっちゃん。

 ファンタジー大河ドラマと言った趣の作品でした。



 第五位「ゼロの使い魔」 ヤマグチノボル


 ファンタジー異世界転移物の代表作。

 なろう作家のお手本ともいえる作品でしたね。

 作者のヤマグチノボル先生が、惜しくも早世なさった為に、未完の大作となってしまいました。

 

 お手本とは言いましたが、多くの異世界転移物を書いているなろう作家は、本作の上辺だけを取り入れたと思いますね。

 本作は、異世界に飛ばされた主人公の、日本への郷愁が"明確"に描かれておりました。特に前半は。

 可愛い女の子とか、マジでどうでもいいから、ここを真似しろ。



 第四位 「マヴァール年代記」 田中芳樹


 同作者のアルスラーン戦記を抑えて、堂々の第四位。

 架空の中世世界を舞台にした、リアル系ファンタジーの傑作。

 ドロドロの権力闘争にスポットを当てた作品です。

 最後は登場人物の大半が死亡して終わるのも、田中流。



 第三位 「狼と香辛料」 志倉凍砂


 交易系ファンタジー小説の地平を切り開いた傑作。

 キャラクター造形もさることながら、交易についての掘り下げが凄まじい。

 毎回、色々な交易ネタをぶち込んでのストリー展開。素晴らしい構成力だと脱帽物です。

 真似したいけど、真似できない作品です。 

 アニメが「コードギアス 反逆のルルーシュ」と同じキャストを使って進行するので、なおさら面白かったですね。



 第二位 「巡検使カルナー」 竹河聖


 紀元前一万年、超古代文明が栄えたアトランティス大陸を舞台にした幻想叙事詩。

 「風の大陸」の外伝に当たる作品です。

 

 一言で言うのであれば、「完璧に近い作品」です。

 風の大陸の舞台より、100年ほど前の話なのかな。

 とにかく、完成度がメチャ高い作品でした。

 イケメンのエリート官僚という、いけ好かない兄ちゃんが主人公ですが、世界観、人物の作りこみ、ストリー展開、その世界を彩る様々な文物に至るまで、とにかく精密に作りこまれています。

 


 第一位 「ロードス島戦記」 水野良


 「呪われた島」ロードスを舞台に、英雄たちの興亡と冒険を描いたファンタジー物語。

 

 やっぱこれでしょ。 

「ロードスという名の島がある」で、始まる一大叙事詩。

 日本のファンタジー小説の金字塔。

 舞台設定、キャラクター造形に関して言えば、今なお日本のファンタジー小説のにおける、重要な指針だと思います。

 トールキンの「指輪物語」からの影響が強いですが、指輪物語を、日本人向けにローカライズした功績は大きい。


 めちゃくちゃハマりました。

 今でも全巻、本棚に差しています。

 因みに、私が歴史小説家の塩野七生沼に落ちた切っ掛けの作品でもあります。

 いやー。間違って買ってしまったんですよね。塩野七生著「ロードス島攻防記」

 こんなタイトル、間違えるじゃんかよね。


 私のペンネームは、水野良先生から勝手に一字頂いております。

 「偏諱」ってやつですな。




 以上が私の中のトップ10でした。

 他にも面白い作品としては、「まおゆう」とか「カラトヴァ風雲録」とか「ゲート」とかありますね。



 さて皆様。

 ここいら辺が、私が親しんできた、ファンタジー小説です。

 私と同じ年代の方々が、親しんできたであろう作品たちです。

 なろうのボリュームゾーンの方々との共通認識です。

 これらを踏まえての質問なのですが、


 「ありますか? なろう作品との共通性」


 ぶっちゃけ、なんの関係性もないように思えます。

 なろうでヒットした小説は数あれど、ここに列挙した作品で、共通性が見いだせる作品は、「ソードアート・オンライン」と「ゼロの使い魔」ぐらいではないでしょうか。番外編で「ゲート」かな。

 巡検使カルナーの要素どこ? ロードス島戦記の要素どこ? アルスラーン戦記でもいいよ。悲しいかな、微塵も感じないのですが。

 あるなら教えてください。その作品を、直ちに読ませていただきます。

 

 逆にこれらの作品を読んで、なろう作品を書いたのであれば、どのような変換が脳内されているのか、完全に謎です。

 まぁ、私も人の事は言えないか。反省しよ。 



 さてここまで恨み言を述べてまいりましたが、私のランキングにも一つ穴があります。

 「スレイヤーズ」が無い。

 そうなんですよね。

 私、読んだことないんですよね「スレイヤーズ」

 私は作品自体、全く知りませんでしたけど、昔めっちゃ流行っていたらしい。

 ネットで調べてみたら、「ライトノベル」というジャンルの地位を確立した作品らしいです。

 もしかしたら、なろう小説の主流は「スレイヤーズ」にあるのかもしれません。 


 そうでも考えないと、私のランキングの作品と、なろう作品の関連性が理解できないのです。

 内容や世界観が、進化したり変質したりしている分にはいいのです。それが普通ですからね。

 しかしながら、一切無関係のように見えるのです。

 本当に同じ作品を読んできたのか、不安になってくるのです。

 そうはならんやろと、言いたいのです。



              終わり

 最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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トールキンの『指輪物語』に滅茶苦茶影響受けてます。 あと早川FT&SF文庫に創元推理文庫。英国の児童文学各種で育ちました。 主にそういう海外ファンタジーを読んできたので、『ロードス島戦記』も面白かった…
ソードワールドRPG(無印)と、モンスターメーカーRPGが無いんですが←ちなみにどっちもルールやねん ライトノベルというジャンルが有るけど、TRPG(テーブルトーク)の影響を受けてるような気がします…
[良い点] 『ロードス島戦記』が一位なのは素直に嬉しかったです。 『マヴァール年代記』に触れておられたのも! 当時は『アルスラーン戦記』や『創竜伝』の影に隠れてましたから「おお!」となりました。ありが…
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