第一章 逃げ場所、8
「はい、はい。分かったぞ」左腕から、困りそうな声が漏れた。
「今から、俺がお前に付かない。それと、仲間たちを見つけたら、この星の生物に関係のない対策を立てると誓う。この環境には、もう激しい刺激を与えてしまったんだな。いいだろう?」
同時にボクと龍登は腕時計を見やり、またお互いの目を合わせ、何も言わずに腕時計を見ながら頷いた。
「とりあえず、仲間たちを探さなければ。一人で探すまでだ。二人が手伝う必要はないが、その手を断らない」
自信に満ちたその言葉では恐竜の推進力と仲間たちの重要性を理解した。その声には十分な圧倒力があった。だが、どこからともなく海に沈み込むような失望が広がった。まるで、急に振り払われて、一人きりに残されたような感覚だった。恐竜はしばらく答えを待っていた。
「……ボクは、手伝う」
眉を寄せた龍登が、疑わしげに見られた。
「こいつは仲間を探したいだけだろう?だったら、早く見つければ、早く地球から離れる……そのほうがいいんじゃない?」
「……」
龍登の目がボクから腕時計へ落とした。
「……今から、私の友達に一度も付かない?」
「俺の命がかかっても、一度もしない」
少しの間、龍登は腕時計を見つめたが、やがて長い溜息をもらした。
「……私も手伝う」
胸にあった失望は、どこかへ消え去り、代わりに強い感謝がふれてきた。
「ほんの少しの援護でも、ありがたいもんだな。ありがとう、龍登……ありがとう、サラ」




