表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
精神戦隊  作者: 魔法トロ
序章
7/15

第一章 逃げ場所、6

「良かった。聞いてくれ。俺は敵じゃない。むしろ、俺と仲間たちは、崩壊した星から逃げてきたんだ」


 やっぱり、このパラサイトとあの隕石には関係がある。


「つまり、その隕石はお前の宇宙船なのか?」


 ボクはそう尋ねると、恐竜は鳥のように首をかしげてこちらを見た。怒らせたのかどうかは分からないが、次に発せられた言葉は先ほどよりも厳しかった。


「言葉遣いが悪いな。死にかけていたお前を助けたというのに、俺にそんな態度を取るとは」


 思わずボクはたじろいだ。「どういうこと?」


「先週の夜、墜落したのは宇宙船じゃなくて、俺自身だった。そして、その衝撃で、お前の体はバラバラになっていたんだ」


 次の瞬間、ボクの脳裏に映像のような記憶が浮かんできた。ーー先週の出来事だ。しかし、それはボク自身の記憶ではなく、このパラサイトのものだった。フラッシュバックのように、鮮烈(しんれつ)に流れ込んでくる。


 視界は人間のものとは違い、よりもっと敏感だ。音は、遠くの家庭で衝撃に驚く声まで拾い、感触は道の細かな凹みにまで気づく。風や音、気温といった周囲の振動によって、この世界を理解しているのだ。


 形を持たない自分自身は、近くのマンホールに飛び込み、下水で体温を冷ましていた。


 身体を水に浸しながら、息苦しげな生物の呼吸が聞こえてくる。その時、パラサイトの中からさまざまな感情が一気に溢れだした。


 ひきょうな自分のせいで、自分の星が破壊され、さらに、この星に侵入して、生物を殺してしまったという驚愕(きょうがく)。仲間たちとまた会わなければならないという焦り。そして、追い立ててくる猟師(りょうし)たちが、もうすぐ迫っているという恐怖。


 しばらくの間、時が止まったように感じた。あの猟師たちに、平和な日々も、豪華(ごうか)な風景も、自分の星そのものも奪われたのだ。何度も、何度も、その思考が脳裏で繰り返される。恐怖から悲しみへ、悲しみから後悔へ、後悔から怒りへーー感情は絶えず移ろっていった。


 今度こそ、絶対に逃げない!


 下水から飛び出し、苦しげな呼吸の者へと身を躍らせる。接触した途端(とたん)、その生物が致命的(ちめいてき)な状態であることを(さと)った。


 墜落の炎に肌は焼かれ、衝撃で手足は吹き飛び、血が道に広がっている。自らの身体でその生物を追い尽くすと、意識と意識が絡み合い、一つになった。


 記憶が流れ込む中、パラサイトの声がボクの耳に届いた。


「正体不明の敵が宇宙から、俺たちの星に来た。対抗策を立てる間もなく、敵は俺と同じパラサイトたちを捕まえられ、眩しい光線で星そのものを破壊した。あの日から俺たちは新しい星を探し、身を隠そうとしてきた。だが、結局、敵の猟師に追われていたんだ」。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ