第二章 意思があれば道はこじ開けられる!7
「サラ、俺の仲間と逃げろ!」
次の声は、耳に飛び込んできたと思ったが、それは、心の奥から響いていた。龍登の声ではなく、ポチの声だった。いや、声というより、前と同じように気持ちや考えが混ざり合った感覚だ。ただ、それは前よりもはるかに強かった。ボクが答えるより早く、捨てられた操り人形のようにポチの体がボクの前へ叩きつけられ、地面にめり込んで数メートル転がった。
「パラサイトの存在を確認した。艦隊へ合図を送るプロセスを開始する」機械の低い声が響き、その目が点滅を始めた。そして、像のように立ったまま、動かなかった。
また龍登の声がボクの耳に届いた。まるで、以前の龍登が生き返ったかのように、通信器から「今だ! 逃げろ!」と叫んだ。その衝動に突き動かされ、ボクは立ち上がり、ポチのもとへ走った。
ポチは、重傷だらけの体をものともせず、立ち上がろうとしている。ボクはポチを支え、「行こう」と言った。しかし、ポチは頭を横に振った。
「もう終わりだ。あいつは自分の艦隊に合図を送った。もう逃げ場はない。戦うしかない」ポチは震える足で、話を続けた。「俺の仲間を龍登のもとへ連れて行ってくれ。何か対策を考えられるかもな。俺は最期までここで戦う。卑怯だった俺は、二度とあいつらに星を崩壊させはしない!」
ポチが決断を述べ、心の奥が大きく揺れた。やはり、地球の始末はその機械に招かれる。ポチは最初から真実を言っていた。あの時、その言葉を信じていたら、良かったのに。
「サラのせいじゃない。地球人が俺みたいな宇宙人を疑うのは当然だ。こうなるのも仕方ないんだ」ボクの後悔を慰めるように、ポチはそう言った。ポチの目をじっと見つめ、何かできることはないかと思った。
「あるけど、俺はもう約束した。だからやらない」
どういうこと?ポチがそう伝えたその時、点滅していた機械の目が元の状態に戻った。
「合図の通信が完了。艦隊の到着まで、約この星の公転周期の半分だ」
「6ヶ月ってことか?6ヶ月後、地球が支配されるってことなのか?」
震える声でボクは言い、拳を強く握った。




