第二章 意思があれば道はこじ開けられる! 3
「……サラ?」
「ね、龍登……」ポチとその友達との再会で、心が溶けてしまったせいか、喉が乾いていた。「……前の仕事は、何があったの?」
「……」 通話器の向こうから何も聞こえなかった。それは、周囲の人を自分の相談すべき問題に巻き込ませまいとする静かさなのだろうか。
「何があれば……え?」空から鋭く、高い音が走った。まるで、飛行機が墜落してくるかのような轟音だった。ボクは、パラサイトたちとともに反射的に空を見上げた。その前の夜と同じように星のような何かが落ちてきている。
また、ボクの命の糸の端に触れるのか。その考えが、ふと脳裏をよぎった。
ボクの最後だと思いきや、足元から強い押し上げるような圧力が伝わってきた。ポチは、素早く自分の背中にボクを乗せ、路地から一気にどこかへ走り出した。
ボクの右肩に、別のパラサイトがぬるりとよじ登り、叩きたて餅のように貼り付いた。
ポチは路地を抜け、向かいのビルの裏へ回って身を潜めた。その直後、小惑星は墜落した。爆発のような衝撃波が、都市のビルを揺らした。崩れるビルの轟音、鳴り響く車のアラーム、人々の悲鳴が一斉に上がった。
近所は窓から覗き込む人々や、避難する住民で湧き返っていた。ボクはビルの裏からそっと顔を出した。
空気に漂うほこりを吸い込み、咳が出た。
ポチの胸から、深く恐ろしい唸りが響きはじめた。
なぜかボクには理由がわからないが、心には急に、戦いの構えが整った。
目を細めたら舞い上がるほこりの中に、何かが立っているのが見えた。




