第二章 意思があれば道はこじ開けられる!2
路地は暗いせいで、はっきりとは見えないが、その形はポチのベタベタした姿によく似ていた。ポチは地面を嗅ぎながら、ゆっくりとゴミ箱へ近づいた。急にポチが止まった。次の瞬間、ポチは舌をだらりと垂らしながら、嬉しそうに上下に跳ねる。ピットブルのように鼻を鳴らし、興奮を迎えきれない様子だった。
通話器から、龍登の声が何があったと響いた。ボクはポチのリードを外し、静かに後ろへ下がる。するとゴミ箱の裏から黒いベタベタした影が顔を覗かせた。目はないが、その姿勢はまるでボクたちを仲間かと決断できないように、ぐずぐずと震えていた。
ポチは鼻先で、そのパラサイトをそっと突いた。すると、それは躍るように跳ね上がり、ポチの体にまとわりついた。頭から尻尾の先まで、ぬめるように滑らかに這い回る。
日本に着いたとき、ボクには友達が一人もいなくて、不安と心配で胸がいっぱいだった。知らない場所、知らない人ばかりに囲まれて、鼻が詰まりそうだった。しかし、龍登と出会ってからは、その恐怖が風に吹き飛ばされたほこりのように消えていった。代わりに、懐のように温かい安心が広がってーーここは、自分の居場所なんだと心の底から感じた。
今、その時と同じ感覚が、ボクの体中を駆け抜けていく。ボクは、脳の中で何を考えているのかわからない。けれど、心の奥には言葉ただひとつ、はっきりと浮かび上がってきた。「友達」




