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自己紹介がわりの訓練スタート 完

投稿が遅れて申し訳ありません。学業が忙しく予定よりかなり遅れた投稿となってしまいました。


「やはり強いですね、あなた。」

私とこの男の距離はせいぜい15メートルほど、この距離ならほぼ100%当てることができる。今回も私の腕に狂いはなかった。でもそれを身体能力だけで対応してくる。誰でもできることではないわ。


「それはどうも、お前もなかなかやるな。名前はなんだ、教えろ。俺は強いやつが大好きだ。お前は強い。」


「それが人にものをいう態度ですか?自分から名乗るのが常識でしょう」


「たしかにその通りだ。俺の名前はバトライドだ。お前は?」


「お前と言っているところは気に食わないですけど、まあいいです。私の名前はメト・アリラトスです」


「メト・アリラトスか、いい名前だ。覚えておこう。メト、今から俺が遊んでやる。いつでもこい」


「気安く名前で呼ばないでください。それと私は遊ばれるほど弱くはありません」


そういい終わるとメトは右手に銃を持ち数発撃ちながら距離を詰めた。バトライドは銃弾を体をひねり避けた。バトライドがすべての銃弾を避け終えると同時にメトの右足がバトライドの脇腹にめがけて進んでいた。バトライドは左手で蹴りを防ぎ、メトの腹部にめがけて拳を突き出した。メトはバトライドの拳を避け、上に跳び、空高く右足をあげ、バトライドに向けて振り落とした。バトライドは振り下ろされた足を右手で受け流し、メトの顔にめがけて殴りを入れるようにみせかけ途中で拳を下ろし、それに気を取られているメトに向かって回し蹴りを入れた。バトライドの蹴りをまともに受けたメトは蹴りの勢いで数メートル飛ばされた。


この男思っていた以上に強い。たった数秒しか戦っていないけど動作一つ一つに技術が詰まっている。それにまだ本気を出していない。彼が最初に言った通り、私は遊ばれている。どうにかしないと、、、





ライト視点

「さて、どこから狙おうかな」

メトとの約束は守る。でもできるだけ目立ちたくはないからな。メトたちがはっきりと見えてある程度開けている場所、、、

「発見!」

ここからなら周りもちゃんと見えるし、このくらいの距離ならハンドガンでも当てられる。えーと、、

「あ、メトたち発見。あれは苦戦してるのか。おかしいな、、、」

俺の推測でしかないが、メトはこのクラスでは知識量も戦闘力もトップだ。この訓練の参加者は俺たちのクラスの人物だけ。だから単純に考えればこの訓練場内にいる人物に負けることはない。だから今メトがあの男におされているのは信じがたい。でも俺が考えていることは、あの男が俺たちのクラスの「生徒」だった場合の話。

「やっぱり、あいつ違うな」

メトとの戦いを見て確信した。最初に見た時からなんか変だとは思っていたが、、、

「相手が相手だ。ここからじゃメトを助けることはきつそうだな。下りるか」





メト、バトライド視点

ライトが山を下り始めた時、メトはバトライドの攻撃により頭や腕、足などにけがを負い、血を流した状態で地面に倒れている自分の体を起き上がらせていた。


「こんなものか?メト‼」

起き上がったメトにすかさず殴りかかった。メトは全身に痛みが走る中ぎりぎりのところで攻撃を避けた。


はやく体勢を立て直さないとまける。戦う前から強いのはわかっていた、でもここまでとは思っていなかったわ。


「いい反応だ。まともに俺の攻撃を何度も食らったその体で動ける奴はそういない。でも連続ならどうだ?」

バトライドはよろけながらなんとか立っているメトを次々と殴った。

「もっとこい!!」

バトライドは一度メトを殴っていた手を止め、腕を深く引き体をねじり拳に力を込めた。力の込められた拳はメトの腹部に直撃した。

「か”はっ」

なんて力なの、意識が飛びそう。もし意識を保てたとしても体を動かすことは絶対にできない。このままじゃほぼ確実に負ける。


メトは地面に倒れこんだ。


「今までのは結構軽めに殴っていたが、これはちょっと強めだ。メト、お前は強かった。だから最後にいうことはあるか?聞いてやる。まあ最後といっても殺しはしないがな。さあ言え!」

バトライドは倒れているメトの髪の毛を掴み無理やり立たせ、不敵な笑みを浮かべながら言った。


「あなたに言い残すことなどありません。でも一つ言うとするならば、、、いや、何もありません」

メトは物心ついたころから今までのことを振り返り、本当は何か言いたげな今にも消えそうなかすかな声で言った。


「そうか」

そういうとバトライドはメトを自分の5歩ほど前に投げた。そして仰向け状態のメトに向け銃を構えた。

「何度も言うが殺しはしない。でもこうやって戦うことができるのはこれで最後かもな。顔は傷がのこりそうだな。せめて首から下にしてやる。これは頑張ったお前への俺からの優しさだ。じゃあな」

バトライドはそういうとトリガーに指をかけ、ゆっくりと引いた。


あの時のお礼がまだ言えてないのに。でも仕方ないか。

あの時みたいにまた、誰かが助けてくれたら。そんな都合のいい話、ありえないか。


メトは全てをあきらめたかのように目を閉じた。

バンッ


銃声とともにメトにとってとても長い時間が流れた。


次目覚めたときは今のような自由な体ではないかな。実際の時間で言えばほんの0.01秒ほど、でもとても長く感じる。楽しいことは一瞬のことのように感じ、いやなことはとても長く感じる。神様は本当に意地悪だなあ。なんてね。――

それにしても長すぎる気がする。



「メトさん、なんでずっと目をつぶってるんですか。しかも何もかも終わりだ。みたいな顔して」

メトが目を開けるとそこにはライトがたっていた。

「え?どうしてここに?」


「どうして?って何ですか。メトさんが負けそうになったら助けるって約束だったじゃないですか。だから来ただけです。質問ならこの後いくらでも聞きますから。まあ休んでいてください」

ライトはそういうとバトライドに歩み寄った。そしてバトライドとライトの距離は手を伸ばせば相手に触れることができるほどになった。


「何のつもりだ」


「何のつもりってどういうことだよ。メトを助けて、ついでにお前を倒しに来たんだよ」

そういうとライトは

ガシッ

右手でバトライドの頭を掴み、地面にたたきつけた。ライトが動き出しバトライドの体が地面にたたきつけられるまで、時間にして約0.5秒ほどの出来事。


「が”はっ。」

バトライドの唸り声とほぼ同時にライトは地面にたたきつけられた反動によって少し浮いているバトライドの体と地面の間に足を入れ大きく振り上げた。ライトは蹴り上げられた事により胸のあたりまで上がってきているバトライドをさらに右足で蹴り飛ばした。バトライドは数メートル先まで飛ばされた。


「はやいな。それに加えて一撃一撃が重い。お前ただの生徒か?近距離での銃弾の手づかみ。反応しきれないほどの速度。異能士見習いのお前たちの中にここまでの力を持った奴は存在しない」

バトライドが切れた口から出ている血を右手でぬぐいながら言った。


「実際目の前に存在してるだろ。俺はこの学園のただの生徒だよ。質問に答えてやったから俺からも一つ質問をさせてもらう。お前、械人だろ」

質問と言ってはいるがどんな答えが返ってこようとさっきので確信した。速度も力も俺の中では5割程度しか出していないとはいえ普通の奴なら起き上がることすら困難な衝撃が体に走ったはず。でもこいつは少しよろけるぐらいですぐに立ち上がった。これほどのタフさを持っているのは械人ぐらいしかいない。かなりの実力を持った異能士という可能性も0ではないが、俺たち生徒へのふるまいからみてもほぼ100%械人。


「械人か、どうだろうな。俺が械人ならどうする。」


「今ここで倒す」

否定しないってことはそういうことだろう。まあこいつが械人だろうが生徒だろうが異能士だろうが殺すことはしないからルール違反にはならない。勢いあまって殺しちゃうことがないようにだけ気を付けないといけないなあ。


ライトはそういうとバトライドとの距離を一瞬でつめ、バトライドの左わき腹に向けて足を振った。バトライドはライトの足を両腕の側面で受け、反動により足で地面をひっかくようにして数メートル飛ばされた。


「よく反応できたな。俺的にはお前との戦いは今すぐ終わらせたい。だから結構強めに殴るぞ。死なないように歯食いしばっとけよ。」

ライトがそう言った次の瞬間

「ぐ”はっ」

ライトの右腕がバトライドの腹部に直撃していた。バトライドは全身を駆け巡る痛みに耐えられずその場に倒れこんだ。


「これで一件落着」

まずはどうするべきなんだ。残りの人たちを倒して訓練を早く終わらせる?いや待て。さっきの奴のせいで重傷を負っている人がいたら俺がほかの人たちを倒している間に死んでしまう。まずは先生たちに連絡か。でもどうやって連絡をすれば、、、


『緊急連絡です。生徒からの報告、訓練場内のカメラなどにより現在の状況は把握しました。生徒の皆様は敵味方関係なく助け合い、動けるものは重症者の手当て、避難等をしてください。我々教員は今そちらに向かっています。くれぐれも謎の男との接触は避けるように』


誰かがもう助けを呼びに行ってくれてたのか。なら放送で言われた通り避難するか。放送で言ってた謎の男っていうのは多分こいつのことだろうし、先生たちのところに連れていくべきなんだろうけど二人も担いでいくのはきついしなあ、、、まあいいか。逃げないようにロープかなんかで縛っといてここにおいとくか。


「謎の男っていうのは倒しましたけどこれからなにがあるかわからないし、けがの手当てもしなくちゃいけないので行きましょうかメトさん」

ライトはそういいながら地面に座り込んでいるメトの前に後ろ向きにしゃがんだ。


「なんのつもりですか。私は一人で歩けます」

そういいながらメトは立ち上がろうと体に力を入れたがすぐに力が抜け、もう一度座り込んだ。


「無理したらだめですよ。早く乗ってください」

ライトがそういうと少しの間悩んだ末、いやいやではあるが、、、


「わかりました。でもこれは仕方なくですからね。体に力が入らなくて歩けないから仕方なく、、、」


「わかってますよ。しっかりつかまりましたか?じゃあ行きましょうか」

ライトはメトをおんぶし訓練場の出口に向かって歩いた。


「メトさん、この体勢で痛いところとかありませんか?」


「大丈夫です。それよりあなたなんでさっきから敬語なんですか。なんか気持ちが悪いですよ」


「ケガをして弱っている女の子には王子様っぽくするべきなのかなあって思ってたんだけどなあ。それは間違いだったか。これから気を付けます」


「また戻ってますよ」

それから数分間、メトとライトは沈黙に包まれた。



そんな沈黙の中、突然メトが小さく口を開け、、、

「ライトさん、、、ありがとうございます」

とライトにだけ聞こえる小さな声で呟いた。


「え?今なんて?」

さっきのは俺の聞き間違いか?女の子をおんぶして、二人きりで少し会話を交わして、人生で一度として味わったことのない状況に置かれて耳がおかしくなったのかもしれない。いや、絶対に言っていた。「ありがとうございます」と。

メトからの返事は返ってこなかった。俺がメトの方を見ると彼女は目をつぶっていた。戦いが終わってドッと疲れがきて寝てしまったのか、戦いが終わったことによる安心感によって寝てしまったのか、はたまた俺の質問に答えたくなかったから寝たふりをしているのか。俺にはわからないがどちらにしろ今日はいい一日だった。メトとは友達とまではいかなくても少しは仲良くなれたと思う。入学初日から不幸なことはあったけどそれ以上にいいこともあった。


「メト、俺こそありがとう。できれば明日からも仲良くしてね」

最後までお読みいただきありがとうございました。次話ではいままで書いてこなかったライト、メトのビジュアルなども書いていこうとおもいます。できるだけはやく投稿します。次話もよろしくお願いします。それではまた会いましょう。

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