2話
大変お久しぶりな駄犬です。プライベートとの両立が忙しくできず申し訳ありません。完結まではどんなに期間が開いても書き続けるのでよろしくお願いします。
次の日.. .
アルはアルレリア公爵領の中心地である領都:アルレリアの視察に向かったジークの書斎にメイドや執事の目を盗んで忍び込んでいた。
「うわぁ。これだけの書物があればそこらの本屋も勝てないだあろうなぁ」
アルはそう呟きながらどんな本があるか見て回ることにした。
1時間後.. .
この世界の歴史書と過去のアルレリア公爵領に関するデータが記されている帳簿、魔法書を自身の両側に山積みにしながら読み進めていった。
歴史書には昨日ジークとマリアから聞いた通りの歴史だけでなく大陸で起きた戦争や政争、災害や魔獣に関する被害など詳しく触れられていた。
「この世界、魔獣もいるのか.. .魔獣の被害が地震や台風、噴火と同レベルって異常だろ.. .」
「これは早く魔法と剣を覚えてこの家族を守らなくては.. .」
歴史書は自国や自領の戦争だけでなく他国同士の戦争にも触れられていて、当時の新魔法や新戦術についても触れられている。基本の戦術は地球の歴史に挙げられている戦術と酷似しているが、この世は魔法が存在するため地球でいう銃火器を使用する近代戦術に似たものも存在していた。
「戦争も頻繁に起こっている世界らしいから戦術や戦略も学ばないとだなぁ」
そうアルが窓を見てつぶやくと空がオレンジ色となっていた。もうそろそろジークも戻ってくると考え読み終えていない本を持ちながらアルは自室へと戻っていった。
領都の視察を終えたジークが書斎に戻ると山積みの本と隙間の大きく空いた本棚があった。
「誰だ?執事もメイドもあり得ない.. .賊ということも可能性はなくもないが.. .」
ジークは専属執事のセバスに目線を向けるとセバスが聞き取りに向かう。そこに無駄な動きはなく慣れた動きであった。
少し経ちセバスが戻ってきて報告を始めた。部下の執事やメイドに聞き取りしところアルが書斎に入っていくところを遠くから見た者と書斎から複数の書物を持ち自室に戻る姿を見たものもいて、アルの自室を確認したところ本を積み上げすぐ近くで寝ているアルがいたとジークは報告を受けた。
「1歳で丁寧に話すどころか我々の会話を理解するだけでも驚きなのに、歴史書、魔導書、領地に関する書類を読み始める,,,そんなことありえるか?」
ジークは驚きとやはり天才かと思う喜び、そして王家や他家による干渉が強くなることを心配し思案するのであった。
「とりあえず、マリアに聞くか,,,」
ジークは考えるのを放棄した