広がり続ける世界
「お前は神様失格だ」
とある神様が、とある神様に向けてそう言った。
だから、言われた神様は、神様である事を証明しようとしたのだった。
その神様は世界を作り続けていた。
「広い世界を作りたいの」
そう言いながら、世界を作り続けていた。
どこまで作っても満足できない。
だから。
「もっと作りたいの」
そう言いながら、永遠に延々と作り続けている。
飽きる事はない。
その神様の向上心は無限だった。
疲れ果てる事はない。
その神様の体力は無限だった。
だから、世界を作って、作って、作り続けていった。
その世界に命が生まれ、文明が始まり、歴史が刻まれても。
どんどん。
どんどん。
世界はずっと膨張していく。
人の虫も、どんな生き物だって、世界の果てにはたどり着けないし、知る事が出来ない。
そんな広大な世界になっても。
どんどん。
どんどん。
「広い世界を作りたいの」
無限をつかさどる神様は、世界をずっと作り続ける。
なぜなら、
有限をつかさどる神様に、「何でも無限にできないのなら、お前は無限の神様じゃない」と言われたからだった。