魔剣殺しと神を狩る刃

千年の昔。種族間抗争に明け暮れていた人間たちの戦争代理人として、神によって生み出された武具種族“アニマ”。
黒き魔剣“アムニス”と対を為して存在するその亜人類は、超再生能力〈ヒットポイント〉と神より与えられた〈ギフト〉を身に宿し、たとえ肉体が滅びても百年経てば復活する半不滅の戦闘生物でもあった。

そして現在。かつてアニマによって故郷を失った青年ヴォルフは、妙に世間知らずな少女のレッカを連れて、狂気に堕ちた魔剣を狩る旅を続けていた。
それが私怨と復讐心に濁った自己満足であることを理解しつつも、ヴォルフは今日もアニマを殺すために大陸を巡って歩く。

……どうしてそんな自分が、よりにもよってアニマに好かれてしまうのか、ときどき疑問に感じながら。