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棋士、藤井聡太について   及び名人を含む将棋界のタイトルについて

作者: 恵美乃海

藤井聡太が、デビュー以来29連勝。将棋界における連勝の新記録を作った直後あたりに書いた文章です。


 2017年6月27日火曜日記


 藤井四段が29連勝の新記録を達成しました。

デビュー以来無敗で、この記録を達成してしまったのですから、あり得ない、とてつもない、と言ったオーバーな形容を使わざるを得ない偉業です。


 さて例えば、相撲であれば、これまでの連勝の記録は双葉山の69。

 比較して29で新記録になるのは、少ないような気もするかもしれません。

 それは、将棋という競技の性質によります。


 すなわち、プロの将棋界では、勝率が六割なら一流、七割なら超一流

(注:その棋士の生涯通算成績が、あるいは、トップクラスの棋士の年間通算成績がその勝率であれば、の意味です。まだトップクラスには至らない若手有望棋士の年間通算勝率が七割を越えるというのは、しばしば見られることかと思います)。


 そういう世界なのです。そういう性質をもった競技でデビュー間もない14歳の少年が無敗で29連勝。

やはりとんでもない記録です。


 将棋界には名人、竜王、王将、王位、棋聖、棋王、王座と7つのタイトルがあります(2017年5月に新しく叡王が加わり現在は八大タイトル)。


 羽生善治が二十五歳の時、全てのタイトル保持者となったことがあります。

 ただし、その当時にあったタイトルの全部を保持ということであれば、タイトルがもっと少なかった時代に大山康晴も達成しています。


 各タイトルともタイトル戦は年に一回行われます。

つまり藤井四段がこのままの勢いで勝ち進めば、十五歳でタイトル獲得者となる可能性があります。


 ただし名人だけは、どんなに早くても十九歳にならなければ獲得することは出来ません。

順位戦というのがあり、これは、A、B1、B2、C1、C2の5つのクラスに分かれており、一番上のA級のリーグ戦での成績最上位者が、名人挑戦者となれるからです。


 この順位戦は一年をかけて行われ、各クラスの成績最上位2名が昇級(C2級は3名)。


藤井四段もC2から始めますので、毎年昇級したとしても、名人挑戦者になれるのは十九歳です。


 さて、この名人という称号ですが、元々は家元制、世襲制でした。

 十三世までの名人はそれに該当します。


 昭和十年に最も強い棋士が名人になる、実力制名人の時代が始まりました。

 以降、十三人の名人が誕生しています。


木村義雄、塚田正夫、大山康晴、升田幸三、中原誠、加藤一二三、谷川浩司、米長邦雄、羽生善治、佐藤康光、丸山忠久、森内俊之、佐藤天彦です。


 また名人を通算五期獲得すると永世名人の称号が得られます。


これまでに六人の名人が、永世名人となっています。


十四世名人、木村義雄。

十五世名人、大山康晴。

十六世名人、中原誠。

十七世名人、谷川浩司。

十八世名人、森内俊之。

十九世名人、羽生善治。


 これまでのタイトル獲得最年少者は、屋敷伸之。十八歳で、棋聖を獲得しています。


 最年少名人は谷川浩司で二十一歳。


 羽生善治が、最初に竜王になったのは十九歳、名人になったのは、二十三歳の時でした。


 さて、藤井聡太四段。これからどんな記録を打ち立てていくのでしょう。今の勢いであれば、十五歳、十六歳の内に名人以外の全てのタイトルを獲得して、十九歳で名人獲得。そんなストーリーを思い描いてしまいそうです。さすがに、そこまでのことは、神様と将棋の歴史が許さないだろう、と思いますが。


 一体どうなるのか。藤井聡太四段の今後に興味は尽きません。


以下は、2018年12月30日記


タイトルの中で、最も権威があるのは名人。次いで竜王。と言えるでしょう。

竜王は、それまで「十段」というタイトル戦を主催していた読売新聞が「十段」を発展的解消して、将棋界における最高のタイトルを創設する、という意図で、既存のタイトル戦よりも賞金額の大きいタイトル戦としたものです。


従って、日本将棋連盟のホームページや、雑誌では、タイトル戦として「竜王」がトップと思われる場所に収載されているわけですが、棋士の、あるいは世間の意識では、やはり「名人」が最高のタイトルと思われているかと思います。



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― 新着の感想 ―
[良い点] トップを取れるのは一握りの人間ですね。才能と努力の賜物。どちらも半端な大多数は応援して楽しむばかりですね。
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