後編 フロズベルクとの絆
この土地の伝説に誘われやってきた旅人たち。さて、どうなることやら。
笛の音がする。ピィィィ。
白と黄緑色の毛を靡かせた鳥が笛の方へ飛んでゆく。
一方その頃ベルクの街では紫色の大きな鳥に破壊されていく街が見える。クラノンパンの店員ソノン、街の人々、ルイカ、エル達が驚いて、その光景を見ている。
ルイカ
「あれがフロズベルク?」
ソノン
「いいえ違う…」
「あの子は怪鳥ガルゲアよ」
ルイカ
「怪鳥ガルゲア?」
ソノン
「ガルゲアはここら辺の街を破壊して飛び回る鳥なの」
「誰にも助けを求めることが出来ず誰にも何も言えず暴れまわる鳥、それがガルゲアよ」
ルイカ
「ソノンはガルゲアのこと知っているんだね…」
ソノン
「そうね…昔ガルゲアと会ったことがあるの…」
ルイカ
「そうなの!?」
ソノン
「ガルゲアに昔ご飯をあげたことがあるの…」
ルイカ
「へぇ…そうなんだ!それじゃあソノンの言うことならガルゲアは聞くの?」
ソノン
「んー?どうだろう?ガルゲアは人を恨んでるみたいでご飯をあげた時も嫌がってた」
「それでも傷ついていたから無理やりご飯をあげたの…」
ルイカ
「そっか……あっ!!!」
「もう一匹鳥が来た!!」
ピィィィピィィィ
ベルクの街に響き渡る笛の音色と共に鳥が現れる。鳥は白と黄緑色の毛を生やしている。フロズベルクだ。
エル
「あれがフロズベルクか…」
ルイカ
「フロズ…おっきいしかっこいいし優しそう…」
フロズベルクはガルゲアのことを見ている。するとガルゲアはフロズベルクに突進する。二匹の戦いが始まった。
嘴で突いたり、羽を広げ威嚇、オナラなどの応酬。
フロズベルク
「くぅぅぅん!!」
ガルゲア
「ぎゃぁぁ」
激しくぶつかる二匹。
ソノン
「ダメだよ…そんな…ボロボロだよ」
「ガルゲアーーー!!」
ガルゲアはソノンに気づく。記憶が蘇る。
ソノン
「ガルゲア…ほらパンだよ…」
ガルゲアは戦いをやめる。すると破壊をやめて大きなうめき声とともにベルクの街から去って行く。
ガルゲア
「ガァァァ」
フロズベルクも戦いをやめてフロズベルクの笛の方へと飛びだってゆく。
ルイカ
「フロズ行っちゃった…」
エル
「追いかけようぜ…」
ソノン
「私も行く」
塔がある。見晴らしがいい。そこに金髪で男勝りの女性が立っている。先程まで笛を鳴らしていたようだ。女性の名前はベルという。
ベル
「フロズーありがとう来てくれて…でも街を荒らした鳥はどっかへ行ってしまったよ!」
「あの鳥…心配だな」
フロズベルクが塔の上に止まりベルの話を聞いている。
フロズベルク
「くぅん…」
ベルに向かって返事をする。人の言葉がわかるようだ。そこへルイカ達がやって来る。
ルイカ
「おーい!」
エル
「フロズベルクーーー」
ベル
「ん?何だあの二人は!?」
ルイカ
「おーい!さっきの笛はあなたが鳴らしてたんですか?」
ベル
「そうだよー君たちは何しに来たんだい?」
エル
「旅の者です!フロズベルクの噂を聞きつけてやって来ました!僕はエル!こっちはルイカです!」
ベル
「そうなんだ!さっきの鳥は大丈夫かい?街が壊されたみたいだけど!!」
エル
「街はヤバイです!半壊しちゃいました!」
ベル
「そうだよね!私も慌てて笛を鳴らしたんだ……あっ私の名前はベルです!」
エル
「あーあなたがベルさん!」
街の人々
「おーい!おーい!おーい!ベルさーん!」
街の人々がベルクの塔に集まってくる。
エル
「ベルさん!なぜフロズとこの街は仲が良いんですか?」
ベル
「それはね…」
時は遡りベルクの街。
ベル
「わぁぁぁ…鳥が怪我してる」
「大丈夫か?」
フロズベルク
「くぅん!くぅん!」
ベル
「ちょっと待ってろ治してやるから…」
フロズベルク
「くぅん…」
それから、フロズベルクはベルクの街に来るたびにベルさんや街の人からご飯をもらう。その代わり用心棒としてフロズベルクはベルクの街や周辺を飛び回るようになる。
ベルクの街に建てられたフロズベルクの塔は街中で一番の高さを持つ。塔には大きな笛がある。ベルクの街で一番の建築士と言ったらベルの名前があがる。そのベルはフロズの名付け親である。フロズベルクが怪我したり何かあると面倒をみていた。フロズベルクが快適に暮らせるようになっていた。
時は戻りルイカ一行はフロズベルクの塔の入口を入り中の螺旋状の階段を登る。すると最上階にはフロズベルクの寝床があり大きな笛もある。登って来たルイカ一行。
ルイカ
「うわぁぁぁもふっもふっ」
エル
「本当だー」
2人はフロズベルクに抱きついている。
フロズは微笑む。
ベル
「フロズに会えてよかったね」
ルイカ
「それもそうなんだけど僕は笛も見たいんだ」
ベル
「笛かい?これだね」
ルイカ
「そう!この大きな笛いいね」
ベル
「めったにならさないけどすごいでしょ?フロズとの友情なんだ」
ルイカ
「………」
「ガルゲアは仲良くなれないのかな?仲良くなりたいな……」
ベル
「そうなるといいな」
ルイカ
「ねぇねぇ…じゃあフロズに乗ってガルゲアを探そうよ!!」
「そしてクラノンパンを食べさせてあげる…どう?」
エル
「おう!そうしよう!」
ソノン
「私もガルゲアと仲良くなりたい!」
ベル
「よーし!やろうやろう!」
そうして、ガルゲア捜索大作戦が始まった。ロームズを置いて4人はフロズに乗りベルクの街周辺の国々を飛び回る。
ルイカ
「フロズの背中に乗っての冒険みたいで楽しいね」
エル
「そうだな」
ベル
「フロズ優しいでしょ?フロズ!ガルゲアと仲良くなろうな」
フロズ
「くぅぅん」
ベル
「フロズは戦う人々の間に入って戦いをやめさしたり病気の人を乗せてお医者さんの所まで届けたりしたこともある」
「私に助けられた事を忘れずに敵を追い払ってくれるんだ」
ソノン
「ねぇ…フロズ!パンあげる!!」
フロズ
「ピィィィ」
ルイカ
「笛みたーい」
ベル
「あ!森だ!」
エル
「あの森にガルゲアがいるみたいだと周辺の住民が言ってたな」
ルイカ
「よし!!行こう!!」
森にたどり着き一行はガルゲアを探す。するとガルゲアが寝ているところを発見する。ガルゲアが起きるまで待つ。そうしてガルゲアが起きる。
ソノン
「ガルゲアー待ってーーー」
ガルゲアは驚き逃げようとする。
ルイカはすかさずハープを取り出し演奏を始める。
ソノン
「ガルゲアー!!もう逃げないで…私たちと一緒に暮らそうよ………」
エル
「それ!クラノンパンだ!!」
ガルゲアはクラノンパンを食べた。しかし、逃げようとする。ルイカは必死になって音を奏でる。
ガルゲアはパンをくれたり心地のいい演奏を聴かせてくれたり何より怖がらないルイカ達を見て優しい雰囲気に立ち止まる。じっとルイカ達を見ている。ソノンがガルゲアに近づき触る。ガルゲアには傷があった。その傷をなでながらソノンはそっとクラノンパンをガルゲアにあげる。するとガルゲアは大人しくなる。
ガルゲア
「ぐあぁぁ」
ソノン
「ふふふっよかった…」
ガルゲア
「カァァァ」
ソノン
「いっぱい傷ついたね…これからはもっと美味しいクラノンパン食べて街の人と仲良くしようね」
ソノンはガルゲアに乗る。そして、ベルクの街へとガルゲアに乗って帰る。
ベル
「今日はパーティーだーーー」
街人
「いえーい!」
ソノン
「さぁ皆んな食べて…クラノンパンだよー」
クラノン
「さぁさぁ温かいうちにお食べ」
コルク
「今日はサービスでーす!」
ルイカ
「パーティーを盛りあげる音楽は僕に任せて…」
ルイカが音を奏で始めて街の人は集まり笑顔で聞き入る。皆笑っている。
トゥントゥクトゥントゥン
トゥントゥクトゥントゥン
おおーおおぉ
トゥントゥクトゥントゥン
トゥントゥクトゥントゥン
そうしてベルクの街には2匹の鳥が守護神となって住んでいるという話が人伝いに広まる。
クラノンパンを目当てに街は繁盛する。
ルイカ、エル、ロームズはまたあてのない旅を始める。




