表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔術異世界転移は剣士から!  作者: 新城ねぎ
4/9

紅の術師

慎夜くんではなく”猪”遭遇時にいた”人”のほうをメインになってます。

 ”彼女”は依頼内容をこなすために森を探索していた。

 元から森に住んでいたこともあり慣れた足取りと慣れた道を歩いていた。お昼ご飯の弁当と水筒の入った巾着袋(きんちゃくぶくろ)と、木の実を入れるための(かご)を持って森を探索していた。


「あ、こんなところに苺が生ってる。ふふ、少しだけもらっていこうかしら」


 慣れたといって把握している訳ではないから、目新しい物が目に入ったりすることが多々ある。探索自体は始めたのが最近だったこともあり、今回の依頼であるジャーグの討伐のジャーグ探しのついでに探索をしていた。

 ジャーグとは、猪型の大型魔物である。ただの猪型の魔物ならばいいのだがジャーグは肉食で凶暴(きょうぼう)なことから、1度みかけるすぐ討伐依頼がされる。


 討伐内容であるジャーグを探しながら木の実を集める”彼女”は、長く伸ばされた(くれない)と真っ黒なつり目が彼女の凛とした雰囲気を(かも)し出してる、やや控えめなスタイルを彩る緋色を基調とした黄色の菊の模様の彩られた着物を着ていた。そんな男が居れば一度見たら忘れないほどの美女は”紅葉(くれは)”という。


「もう少し歩いたら川があったと思うし着いたら、少し遅いけどお昼にしようかしら」


 鼻歌を歌いながらに川を目指して歩いていった。



――――――――――



「え、えーと川はどっちだったかしら…」


 迷子である。絶賛迷子中である。鼻歌を歌って余裕そうに歩いてたのに今は迷子であった。


「何か目印になるものがあればいいのだけれど…ないのよねここ」


 そんなことを考えていると遠くに大きな影をみかける。それは、体長6メートルを超えそうな超大型ジャーグであった。

 迷子になったけど討伐対象にしてはやや大物だが、すかさず近づくこうとしたが、ジャーグが1頭しかいないと依頼内容には書いてなかったことを忘れていた紅葉はジャーグに奇襲を許してしまった。


「しまっ……」


 1頭が突進してきたのをひらりと華麗に避けた。が、咄嗟(とっさ)に取ったせいで体制を崩してしまった。その時、ジャーグが5頭いるのを確認した。


(数が少し多いわね)


 紅葉は後衛支援を得意とするため、近接での戦闘は不慣れなうえに相手は5頭は非常に分が悪い。前衛に誰か1人いると後衛が楽なのだがないものねだりしても、前衛来る訳ではないから必死に打開策を考えた。しかし


「おらぁ!」


 遠くから”誰か”が石をジャーグに投げつけた。石に当たった3頭が気を取られ、石を投げた”誰か”の方へと走っていく。

 普通に考えればおかしな行動であった。ジャーグは魔物の中では下の上ぐらいの強さだが、一般人が普通に戦闘して勝てる相手ではない。ましてや、先ほど石を投げた者は投げたあとすぐ逃げていったのであった。走って逃げられるということは武装はしてないと考えるのが普通だろうに、まともな武装もなしにジャーグの群れに挑発を買うとはまさに自殺行為であった。

 なにかしらの策があったのかもしれないが、危険極まりない自殺行為でしかない。

 そんな馬鹿な赤の他人より今は自分のことである。ジャーグが離れたとはいえ2頭もいることには違いないうえ、6メートルを超える大物も残っている。しかし、紅葉はただ美女ではなく()()()であった。


「消え失せなさい、(みにく)い野獣よ」


 そう告げたそばから、ジャーグが(ほのお)に飲まれた。彼女の髪に似た紅がジャーグを燃やし尽くした。暴れ回る暇も与えず塵一つ残さず焼き尽くしたのである。


「ふぅ、久しぶりの魔術はさすがに体に響くわ」


 肩を回しながら呟くがあれほどの巨体をあと塊も無く燃やし尽くすほどの魔術師はそうそういない。

 紅葉が軽く話してるのも普通ではないことであった。


「さて、さっきの石投げたとこも見に行かなくちゃね、もしかしたらあのまま()き殺されているかもしれないからね」


 そう呟き歩き始めた。

次はちゃんと対面します。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ