The End
歓声。
そこには数々の人の声が。
光。
そこにはステージのスポットライトが湧いていた。
どちらも止まぬ気配はなく、咆哮を上げている者さえいた。
スポットライトだけでなく、カメラのフラッシュも照らし、華やかで眩いものとなっている。
そんな景色より眩しい少女の瞳が二つ。
彼女の目線の先には、テレビに映っている「スーパースター」がいた。
近くには倒れたもう一人の男。
鳴り止まないゴング。
司会者の興奮した声。
彼女にとって彼はスーパースターであり、今、彼女を興奮させる起爆剤となっていた。
彼女の名は榊原 捺。
高校生であった。
捺はテレビのスイッチを切り、束の間の余韻に浸る。
「あぁー、今日も面白かった!」
捺は寝床につき、就寝した。
翌日。
まず朝食を摂り、服を着替え、友達と学校に行く。
そんな日々が捺は大好きだった。
捺とその友達は毎日一緒に歩く親友だ。
「昨日の試合がすっごく面白かったんだー!」
「ふーん」
捺の友達があまりその話題に興味がないことを彼女は気づいていない。
そして、背後から迫る不審な男にも。
「何が面白かったかって?」
「聞いてないんだけど…」
「まぁまぁ、あそこマジで興奮したんだから!
特にあの最後の技が…」
ドスっ。
音がした。
背後を振り返る。
男がいた。
捺の腹部に刺さった包丁と共に。