プロローグ
天地球、魔界においての最高権力者である魔王。
その魔力は類を見ない程強大で研ぎ澄まされており、天地球の者ならば誰もがひれ伏さずにはいられない存在。
そんな魔王は、500歳で授かった目に入れても痛くない程の親馬鹿を発揮する娘がいる。魔族は寿命と力故に、子を授かり難い。魔王と女王はそんな魔族の中においても、類を見ない程の魔力の持ち主。
齢500で子を授かるなど、誰もが想像していない事だった。
黒の髪に、一房の白。
金と銀のオッドアイ。
12枚の羽を持つ、至高の存在。
誰もが思った。
これで魔界は安泰だと。
次世代の女王。
リールラリルル・ルールナー・ディヤマーリルラ。
誰もが羨む、全てにおいて完璧な存在。
魔力、容姿にも優れ、血筋は文句のつけようのない最高位。
けれど彼女には秘密があった。
誰にも話していない、彼女の秘密。
彼女は笑う。
自分はそんな大層なものではないと。
皆がいてくれるから、いられるのだと。
慈悲深く、思慮深い時期女王。
誰もが頭を垂れずにはいられない。
彼女は、16歳になる年に人間の住む地球に降り立つ。
秘密を誰にも漏らす事なく、最強の存在であるという事も隠して。
そんな彼女の物語り。