お友だち(その2)
前編の続きになります。預かる時に一番心配だったのは、ダイヤが馴染めるか?
でも心配なかったようです。
コナンがダイヤの耳もとで説明を続けます。
(トラは、生まれたおうちがわからないんだよ。生まれてすぐに段ボールの箱に入れられて、気がついた時には公園にいたんだって。)
「二ュ二ュ二ュ二ュ二ュ二ュ二ュ?」
(段ボールっていつもお兄ちゃんと二人で入って遊んでるあの箱?)
「ウ二ャーン、ウニ、グルグルグルグル。二ャ二ャ二ャウーン」
(そうだよ。しばらくは、兄弟三人で箱がおうちで、他の猫に意地悪されてたみたい。だから僕たちからも意地悪されると思ってるみたいだよ。)
「二ュ二ュ二ュ二ュ二ューン、二ュ二ュ二ュ二ュ。」
(ダイヤ達は意地悪なんてしないよね。どうしゅれば良いのかなあ?)
「ウ二ャウ二ャ二ャーン」
(頑張って話しかけようね。)
「二ュン!」
(うん)
それからダイヤはこれまでよりずっとトラに近づくようになりました。
「シャーッ」
と言われても負けません。実はダイヤは棄てられるとか意地悪な事をされるとかは解っていません。でもなんとなく悲しいことのような気がして、‥‥
お兄ちゃんもすこしづつトラに近づいては、お尻や耳を舐めてあげています。ダイヤもトラが走ると一緒に走ってついていきます。
1日目、トラはお部屋の隅でひとりで寝んねしていました。2日目はお部屋の真ん中にトラ、それを囲んでコナンとダイヤで寝んね。
そして3日目、
『トトトトトト』
「ミャウミャウ」
(こっちこっち)
ついにトラがダイヤに声をかけました。なごちゃんが投げたスーパーボールを追いかける際に、振り替えってダイヤに声をかけます。
「二ュ二ュ二ュ!」
(まてまてまて!)
コナンは安心したのか、床に座り込んで二人を見ています。そして、トラがそばに来ると
『ペロペロ』
とからだのお掃除をしてあげようとしますが、
「フゥーッ」
まだまだお掃除までには時間がかかるようです。
それでも4日目には、
『トットットットット』
『トコトコトコトコ』
『トトトトトトト』
仲良く三人で階段をのぼりおりして遊ぶようになりました。ダイヤもお兄ちゃんぶってトラの後をついていってあげます。
ただ、毛繕いだけはまだトラは慣れていないみたい!疲れて
『コロン』
と横になった時にしかコロンはやらせてもらえません。
そして5日目、あらあら、三人仲良く同じ食器でご飯を食べるようになっていますよ。お兄ちゃんが食べる順番を二人に譲っています。ダイヤもいつもと違いトラに順番を譲ります。
トラは何も気にしないで、
『カリカリカリカリ』
ところで、仲良くなった三人を見たママ達は、最初は嬉しそうでしたが、今は少し困り顔。
そう、まるでお家の中が大運動会。三人が疲れるまで走り回ります。ご飯の食器は蹴飛ばされ、ティッシュペーパーは引っ張り出され、小さなぬいぐるみはくわえて運ばれます。コナンやダイヤは注意されると一瞬遊びをやめますが、トラは意味がわかりません。ひたすら走り回ります。
そしてついにお迎えの来る日になりました。
「こんにちは!トラ!迎えに来たよ!」
従姉のこのかちゃんが声をかけますが、トラは知らんぷり。どうやらなごちゃんのおうちが自分のおうちだと思ってしまったみたいです。
何も構わずお兄ちゃん達と走り回っています。
‥‥‥‥
「ありがとうございました。トラ!みんなにありがとうは?」
「ウニ?」
(なんで?)
相変わらずトラは意味がわかりません。ダイヤもキョトンとしています。唯一コナンだけが、このかちゃん達を追いかけ‥‥
『ドンッ』
このかちゃんに体当たりをするとお目目で訴えます。
(トラ連れてっちゃ駄目!)
『パンッ!』
今度は足にパンチをして引き留めます。ダイヤは心配そうに顔を半分だけ出して見ています。
「ごめんねダイヤ、コナン。トラ連れて帰るね!また宜しくね。」
このかちゃんのパパの言葉でようやく意味がわかったのか、
『ジタバタ』
「ウ二ャ二ャーン」
(嫌だ、はなしてよー)
「じゃあね!さようなら」
『バタン』
扉が閉まるとコナンが寂しそうにダイヤに寄り添います。
「二ャ二ャ二ャニャオーン」
(また来るって)
ダイヤもお兄ちゃんにすり寄って話します。
「フニフニフニフルーン」
(帰っておいでよー)
初めて自分よりちいちゃな子にふれて少しお兄ちゃんになったダイヤです。
この前、夜に散歩した際に『猫の集会』に公園で出会いました。
今度はもっと遅くに見に行って、近くで様子を伺いたいと思っています。
なにを話しているのかな?
皆さんの猫体験、ぜひ教えて下さい。




