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一方、暴食トリオとテオ、ノハはメゾン・ド・リリーのノハの部屋にやって来た。リアトリスとテオにとっては勝手知ったるといった感じだが、直樹と瑠美は初めてであった。一人暮らしの部屋に五人が入るという随分窮屈な状態になったが、特に気にする人間はいないようだ。
「さて、現場写真を見るとしようか」
直樹はパソコンを開いた。
遺体が発見されたのは、確かに海岸であるようだった。シートがかけられていて顔は分からないが、潰されていたというならシートがなくても無残な姿しか見ることはできないだろう。シートの隙間からは長い茶髪が見える。首には切り傷があるし、何箇所か打撲のような跡もあるらしく、写真が撮られていた。手足が切断されていたというが、正確には手首、足首から先が切られているという状態だった。確かにそう易々と直視できるものではない。
「すごい遺体ですねー実物見たかったですー」
「暢気なもんだな……しかし、ずっと思ってたんだけど、この切断された手首はどこに行ったんだろうな」
「確かにそうですねぇ。身元を隠すってだけなら、指紋を焼いちゃったりする方がよっぽど簡単ですよ。それに切り離した手首や足首が見つかったら大変ですし、その辺もリスク大きいですよねぇ」
「身元を隠す以外に目的があったんですかねー」
「あ」
「どうしたノハ」
「この人流されてここに来たのかな」
「何でそう思う」
「だって、この人の髪に何かくっついてるもん。これ何ていう海藻だろう」
ノハが指差したのは、背中の打撲傷を写した写真の後頭部だった。髪に何かがもつれて引っかかっている。
「いや…これ枯葉だぞ」
「海岸で発見された遺体の髪の毛に、枯葉がくっついてるなんておかしいね」
「実際に殺されたのは、どこか別のところってことですかぁ」
「じゃあこれから探すべきは…」
と、テオのスマートフォンが鳴った。電話だ。表示を見ると西野隆弘とある。テオはすぐさま耳に当てた。
「どうだった隆弘」
「…あの野郎、刺されてやがった」
「…! どこをだ!?」
「わき腹だ。幸いナイフが刺さりっぱなしだったんで出血はそこまでじゃなかった。でも俺たちが行ってなかったらあと二、三時間は放置されてただろうぜ」
「なんてこった…」
「今病院で手術受けてるところだ。そっちは何か分かったか」
「うーん微妙だな。何かすごいことに繋がりそうってとこまではきてる。警察は来てるのか?」
「来てるぜ。お前らの知り合いってのは五十嵐って若そうなヤツか?」
「そうそう」
その後二言三言交わした後電話を切ると、一同に向こうの状況を伝えた。
「そんなに重傷じゃなさそうだね」
「良かったですぅ」
「ん?」
「どうしたの? テオ」
「いや、防災メールが来てる…近くの山で軽い地すべりが起きたらしいな」
「地すべり? どこの?」
「……遺体が見つかった海岸の近くだな」
「雨が止んだら見に行ってみようか」




