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シークレット・ガーデン
夢を見た。
見知った白衣の後姿が、私に背を向けて歩いていく。後ろにいる私がいないかのように、ただ淡々と、歩みを進めて、私から離れていく。何故か、その先に行かせてはいけない気がして、必死で追いかけて、手を伸ばそうとしても、片腕を何かが掴んで離さない。振り向いてそれを見ると、それもよく見知った長身だった。その深緑の瞳が私の目をじっと見ていて、その姿に何故か、どうしようもない罪悪感を覚えた。
その瞳があまりにも、真剣な光をしていたから。
そして、きっと私はこの腕を振り払って、あの人を追いかけてしまうと、分かったから。