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ジジイとポチとイナバウアー

「ふぉぉぉぉぉ!」

 お爺さんの咆哮とともに鼻血が天高く舞い上がります。

 その様子は紅い龍が天に昇るがごとくです。

「ブチかませ!」

 桃太郎が戦艦に命令を送ると百発のミサイルがお爺さんを襲います。しかし、そんなもので覚醒したお爺さんを止めることはできません。

 数時間に及ぶ砲撃戦の末、戦艦はすべて沈黙していました。

 弾薬がなくなったのです。

「ぐふふふ、ワシのエロスの勝利じゃの。どうじゃ、桃太郎よ、貴様がこの婆さん特製のビンテージみたらし団子を喰えば許してやらんこともないぞ?」

 お爺さんは地上に降り立って、膝をつく桃太郎に問いかけます。

「やだよ、そのみたらし団子、五年前のものでしょ?」

「うむ、そうじゃ。うちの婆さんは貯蓄が趣味での。金と食べ物をためるのが趣味なんじゃ」

 突っ込む気すら失せた桃太郎は腰の刀を抜きました。

「おんや、まだやるのかの? ワシの鼻血に敵うとでも思っておるのかの?」

 それは桃太郎の秘蔵の刀”アメノハバキリ”。出雲の国の大蛇をも切り裂くと言われる伝説の刀です。

 お爺さんの土蔵から盗み出した品でもあります。

「むう、貴様……その刀、ワシが関東竜胆会からくすねた名刀ではないか。ツンデレラを嫁に迎えるという祝いの刀じゃぞ? その刀を桃太郎、貴様が持っていて良いとは言わせぬぞ?」

「黙れクソジジイ!」

 反抗期です桃太郎。

「ツンデレラにストーキングしまくった挙句、海外でもこんな事件を起こして! 生きて日本に帰れると思わないことだね?」

「にゃにおう?! ワシのようなイケメンがツンデレラを付け回すことをストーキングとは呼ばぬ! 紳士的アプローチというのじゃ!」

「もう何でもいいよ。さあ、決着をつけよう」

 桃太郎はアメノハバキリを構えます。白く輝く刀身はさながら龍の牙のごとし。誰もがその刀をただの刀ではないと感じます。

「いんや、もう決着はついておる」

 お爺さんはにやけてイナバウアーしながら言いました。

 その姿をポチ青年は尊敬のまなざしで見ています。

「ワシの鼻血全方位配置完了したからの。ほれ、見るがいい。天を埋め尽くさんばかりの我が鼻血を!」

 無慈悲にもその鼻血は桃太郎に向って大量に向けられました。

こんばんは、星見です。

今、GWのはずですよね? なぜ私は働いているのでしょうか。なんかやるせません。滅べブラック企業。ああ、ニュースでは世の中のブラック企業が人手不足になっていますね。因果応報ということでしょうか。

そういえば、お婆さんが空気になっている……


ではまた次回お会いできることを祈りつつ……

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