ジジイとポチと一発逆転
ポチ青年の胸の内にはもはや怯えはありません。
第二思春期の女性の大軍だろうと、ふんどし一丁の第三思春期の女性の行列だろうと彼の歩みを止めることは敵わないでしょう。
今、彼を突き動かしているのは師匠への心配です。
師匠は自分を逃がしたことで窮地に立っているに違いない。そう思ったのです。
はたして、その予感は当たっていました。
師匠であるお爺さんは桃太郎相手に苦戦していました。近代兵器をものともしないお爺さんですが、ツンデレラのブラやブルマがない今、お爺さんのエロスパワーはほとんどありません。
「ぐぬう、桃太郎……貴様、それほどワシのセクハラ行脚を止めたいというか! この親不孝者めッ! ワシはお前をセクハラの使い手として育てたはず!」
「それが辞世の句、ということでいいのかな?」
殺る気満々の桃太郎。
そのお供たちも戦艦の中から姿を現します。みたらし団子をのどにつめてのたうちまわっているホームズ以外は臨戦態勢です。
「さあ、お爺さん。そろそろ人生の幕を……」
「待てィ!」
お爺さんを見下ろす桃太郎を制止するポチ青年。
その手には秘密兵器が握られています。
その秘密兵器は大陸間弾道弾ミサイルよりも、アメリカ軍のジャベリンよりも強力なものです。お爺さん限定ですが。
「おお、我が弟子よ!」
「師匠、今助けに参ります! ちぇいさー!」
ポチ青年はお爺さんにある物を放り投げました。
「くっ、しまった!」
桃太郎がそれを確認しますが、時すでに遅かりし。
桃太郎はすぐに倒れているホームズにニトログリセリンをまぶして、お爺さんに放り投げるという暴挙に出ました。
こんばんは、星見です。
何書いてるんだろうと思うことしばし。やはり鬼退治です。今回はダイゴロウ、ポアロ、ホームズの出番は控えめです。鬼退治Ⅶでたっぷりと活躍してもらうつもりですから。え? まだやるのかって? ストレス解消に多分延々と続きます。
ではまた次回お会いできることを祈りつつ……




