ジジイとババアと武装抗争Ⅰ
第二思春期の女性たちはイケメンの男たちを鹵獲するために、街中を爆走します。ハーレーに乗ってとげ付きの金属バットを振り回しながら、男たちを追い回す様はどこからどう見ても悪役にしか見えません。
「ヒャッハー! イケメンは洗脳!」
「ヒャッハー! イケメンは〇〇〇!」
もはやただの暴徒と化した第二思春期の女性たちですが、このような事態が起きても警察は出動しません。なぜなら、ここは”人権”の国だからです。彼女たちの権利を何よりも保護する政府が何か対策を打つとは思えませんでした。
それどころか、彼女たちの”人権”のためなら他の何物もかなぐり捨てても構わないとさえ思えます。実際、男たちが引き回されようが、ぐつぐつと煮えたぎる鍋の中にブチ込まれようが、警官たちは素知らぬふりをしています。
これが”人権”の国の姿でした。
人権は他の人権を犠牲にして成立しているのです。
さらに悪いことに、それをあおっていたのはお婆さんでした。
「ぐひゃははは! 洗脳するのじゃ!」
お婆さんはF15戦闘機に乗って街中を破壊しながら飛び回ります。あ、今政府庁舎の一部が真っ二つになりました。
もはや第二思春期の女性たちの狩り場と化した街では獲物は逃げ惑うばかりです。
そして獲物にすらならないと判断された男たちの狩猟が始まりました。とりあえず、イケメン以外は滅べというわけですね。
チェーンソーを振りかぶる第二思春期の女性たちからモテない男たちが逃げ惑います。
もちろんその中にはポチ青年も混じっています。
半泣きになりながら運動不足の足を必死に動かしていました。
「貴様ら! この英雄ジジジロス七十七世がお命頂戴仕る!」
さらに事態を混乱させそうな人間が現れました。
地面の中から首だけを出しているため、真面目なセリフが台無しです。
「お、お爺さん! 助けてください、暴徒です! やくざです! マフィアです!」
ポチ青年の必死の頼みが届いたのか
「うむ! モテ王たるワシが貴様らクソババアに引導を渡してくれるわ!」
と地面から出てきて、大根ロリスカリバーをふんどしから取り出すのでした。
こんばんは、星見です。
ずいぶん遅れていますが、何とか頑張ります。
さてさて、どうなることやら? それは作者にもわかりません。
ではまた次回お会いできることを祈りつつ……




