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もう人間の友達がいなくなってどれくらいだろうか。
「おいおい!
まだお前には幽霊しか友達がいねぇのかよ!!」
毎日登校する通学路には、俺をばかにするやつが多い。
その主な理由が
『人間の友達がいない。』
これだけ聞けば、どこか壮大なファンタジーの中にいる新しい妖精というのが俺と思うだろう。
だが絶対にそれはあり得なくて、俺は普通のただの高校生だ。
まぁ、ちょっと
『涼!!
今日も学校、私の分も頑張ってね!!』
『俺は高3でこうなったから、また勉強教えてやるぜ?』
(わかったから、朝から居るのやめてくれよ…。)
幽霊と話せたり、するのだが。
昔からどうも霊感が強い。
たぶんきっかけは、死んだじいちゃんに会いたいという強すぎる思いからだろう。
毎日願ったら本当に見えるようになってしまってたから。
「ま、別にいっか。」
急いで来てしまったせいで焦げ茶のボサボサの髪を整えて校門に向かった。
相変わらず、いつも通り幽霊達は元気である。
「でも、なんか違和感あるんだよなぁ…。」
後ろを見ても、いつもの幽霊と俺を避ける奴ら、嘲笑う奴しかいない。
「あ、やべ…。」
気がついたら予鈴のチャイムが鳴り出したので、急いで校門に滑り込んだ。