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品川の廃工場は、潮風と錆の臭いが混じり、夜の闇に沈んでいた。

崩れたコンクリートの壁に月光が差し込み、鉄骨の影が不気味に伸びる。

黒澤メイは工場の裏口に立ち、ジャケットの襟を立てた。

短いスカートの下、冷たい風が素肌を刺す。

下着はない。

今夜、霧を溶かすために。


三ツ木ミミが隣で小さく体を揺らし、目を輝かせた。


「メイちゃん、霧の中ってロマンチックだね!

でも、あたし霧嫌いかも。

毒便が拡散しちゃうかな?

でも、灰原霧子って子、絶対溶かしてやるよ♪」


茅ヶ崎マヤはヒールを鳴らし、長い黒髪を優雅に払った。


「霧の幻影、ね。

体を霧に変えるなんて、卑怯で下品なスキルだわ。

あたしの座りで、霧ごと息を止めてあげる。

Leonardの側近三人目よ。

これで、彼の計画にまた一つ穴が開くわ」


高本リナはタブレットを操作し、工場の内部マップを投影した。


「警備は四十人。

全員、銃器とスタンガン持ち。

灰原霧子は中央の旧組立ラインにいる。

霧の濃度は彼女のスキルで制御されてる。

視界は五メートル以内が限界。

気をつけて」


メイは無言で頷き、裏口の錆びた扉を押し開けた。

四人は音もなく中へ滑り込んだ。


工場内は霧が濃く、白く濁った空気が視界を塞ぐ。

足音が反響し、鉄の臭いが鼻を突く。

護衛の気配が、四方から迫る。


最初に動いたのはリナだった。

長い脚を鞭のように振り、一人の護衛の首に絡みつけた。

締め上げる。

骨の軋む音が霧に吸い込まれる。


マヤが優雅に歩み、霧の中の護衛に近づいた。

スカートを広げ、腰を落とす。

男の顔が柔らかな尻に埋まり、息が止まる。


ミミが尻を突き出し、毒便を放った。

ブシュッ。

黒褐色の塊が霧を切り裂き、二人の護衛に直撃。

肉が腐り、内臓が溶け、悲鳴が霧に飲み込まれる。


メイは中央へ進んだ。

霧が濃くなる。

視界が三メートルに縮む。


突然、霧が渦を巻き、灰原霧子の姿が現れた。

白いジャケットとスカート、長い銀髪。

体が半透明に揺らぎ、霧と一体化している。


「…Deadly Dymes。

Leonard様の計画を邪魔する女たち。

ここで、霧に溶けて消えなさい」


霧子が指を振る。

霧が四人を包み込み、視界が完全に奪われる。

息が重くなる。

感覚が狂う。


メイは動じず、右足を上げた。

スカートが捲れ、白い太腿が霧に映える。


「…溶かす」


シュゥゥゥ――


黄金色の奔流が弧を描き、霧の中へ飛んだ。

霧が触れた瞬間、ジュッと音を立てて蒸発し始めた。

黄金の酸が霧を焼き、霧子の体を直撃。

彼女の体が実体化し、胸の肉が溶け落ちる。


「くっ…! この酸…!」


霧子が霧に変わり、逃げようとした。

だが、メイはもう一度足を上げ、連続放尿。

黄金の奔流が霧を追いかけ、霧子を強制的に実体に戻す。

肉が剥がれ、骨が露出し、内臓が崩れ落ちる。


ミミが背後から飛びつき、尻を霧子に押し付けた。

ブシュッ。

毒便が直撃。

腐敗が霧子の体を内側から蝕む。


リナの脚が霧子の首に絡みつき、締め上げる。

骨が軋む。


マヤが最後に、霧子の顔の上に腰を落とした。

スカートが頭を覆い、柔らかな尻が顔を押し潰す。


「んっ…ふふ、霧なんて関係ないわ。

あたしの下で、静かに逝きなさい」


霧子の体が震え、霧が完全に消えた。

再生は追いつかない。

彼女の体が、ぴくりとも動かなくなった。


護衛たちは霧が晴れ、混乱した。

メイは次々と足を上げ、黄金の弧を放つ。

溶けた肉が床に落ち、悲鳴が途切れる。


ミミの毒便、リナの脚、マヤの座り。

四十人は、十二分で全滅した。


メイは霧子の胸に黒いカードを置いた。

《Deadly Dymes》

《完了》


工場は静かになった。

血と尿と糞の臭いが、霧の残り香と混じり合う。


ミミがメイに抱きついた。


「メイちゃん、霧ごと溶かしちゃった!

あたしたち、最強すぎるよ~!

Leonardの側近、三人も死んだ!」


マヤが髪をかき上げ、ため息をついた。


「まあまあね。

霧の幻影なんて、結局ただの逃げだったわ。

あたしの座りで、最後まで抵抗できなかった顔、ちょっと可愛かったかも」


リナが霧子のポケットからデバイスを取り出した。

画面に、新たな映像。


Leonardの冷たい微笑み。


《灰原霧子も、よくやった。

君たちの力は、私の予想を超えてきた。

だから、次はもっと近くで会おう。

私の本拠地で、待っているよ。

――Leonard Damion》


映像が切れた。


四人は廃工場を後にした。

外へ出ると、潮風が血の臭いを運び去る。


メイは空を見上げ、静かに呟いた。


「…来るなら、来い。

お前を、溶かす」


Leonardの本拠地。

まだ、遠い。

だが、一歩、また一歩。

黄金の奔流が、彼女の体の中で静かにうねっていた。

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