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いろいろな短編  作者: 北上ユキ
8/8

夜を歩くひとつぶの光


 いい夜だ


 長夜は闇が深い

 夜の音はすべてを吸い込み

 夜気には血の匂い


 宵闇の不安そうな顔も好きだが

 闇夜の救いのない暗さは格別だ


 ああ、私の魂も闇に溶けて欲しい


 いい夜だ

 こんな夜だ

 人を殺しても仕方ないだろう


 人が旅たつには最高の夜だろう

 きっと死者は、私に感謝する


 私が喜び死者も喜ぶ

 なんて世界は美しい


「まつツブ!」


 誰だい? こんな優しい夜に騒ぐ……ぬ?


「な、なんだお前は?」


「つぶは粒ツブ」


「早口言葉か? なんと下品な」


「下品は貴様だツブ」


「下品とはなんだ! ゆるキャラの分際で!!」

「僕がゆるキャラなら、貴様はしょぼいコスプレだろうが!」

「どこがだよ、この潰れ饅頭が」

「トマトジュース飲んでザマスって言ってろ。このエセスネ夫が」

「誰が怪物くんだ。てめえ、ツブはどこ行った!」

「あんなのはキャラ立てですぅー。この雑魚ザマスが!」

「舐めるなよ。性悪ゆるキャラが」


 そこには黄色の丸い物体が浮いていた。強いて言うならミカンに目口を付けて。棒手足をつけたゆるキャラ。


 そして、黒服に黒いマント、貧相な顔立ちにそこだけは立派なカイゼル髭の中年男がいた。


 より非常識なのはゆるキャラだが、ヘイトが向くのはザマスだろう。


「はいはい。ナレーションさんもお前がキモイって言ってますー。このザコがとっとと死ねよ」


 いや、ゆるキャラさんもかなりやばいと思います。


 とりあえずゆるキャラは、毒舌と一緒に光の波を照射した。


「ぎゃー」


 叫び声だけ残してザマスは消えた。残ったのは黒いチリと虚しさだけだった。


「こちら光子(こうし)。対象の駆除終了しました」


 クールに報告すると光子も消えた。



 夜を歩くひとつぶの光

 夜を歩く人、粒の光


 終わり



 

 

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