モブなりの人生設計
さて、一人になったことだしいろいろと試したいことが多い
帰ってきたときに見たダイソンさんの顔を見るにそこまで急がしくはなさそうだし迷惑にならない程度にできることを把握したい
もしかしたらまだ自分で気が付いていない秘められた力!的なものが存在するかもしれない
なんならしてほしいとさえ思っている、せっかくの第2の人生だしチートのような力を得て冒険できるのならしてみたいなぁと夢想する
まずは呪文だ
前回も話したが私の知っているソード戦記には呪文というものは存在するものの、朝に火起こしで使ったファイアというものは存在しないはずだ
あるのは力が向上するパワーや速度が上昇するスピードなどといった強化呪文や逆に敵を弱体する呪文などしか存在せず、相手にダメージを与えるようなものは存在しなかった
そこから考えるにこの世界はソード戦記を模した異世界であり、ゲームとは似て異なる世界なのかもしれない
そうなのだとしたら見覚えのない街並みや使える呪文にも納得できる
まだ決まったわけではないが同じような世界なことだし、知識をフルに生かして情報を先に入手したりして冒険をするのもいいかもしれない
ただキネラは親がいないのが気がかりだが、自分で生活してきてここまで育ってきたという地盤をすべて捨てて冒険するのはいいのか?とも少し思う
今は意識が私なんだしそんなこと関係ない!と割り切ればいいのだろうが個人的にはモブにも感情移入してしまうタイプで、難易度が難しくなったとしても助ける道を選ぶし、効率が悪くてもなるべくモブを攻撃はしたくないタイプだ
キネラには今までの縁やまだ気が付いていない人付き合いなどもあるかもしれない、そう考えると鍛冶屋で修行していずれ鍛冶師になるのも面白いのかもしれないな、となんとなくの今後の方向性が決まる
呪文はどれだけ使えるかわからない、定番で言えば冒険者協会みたいなところがあればそこで鑑定なり自分の実力を調べられるかもしれないので、そこで今どれだけ戦えるかは冒険に出るかは別として知っておくようにしよう
次にこの鍛冶屋だ
大通りから外れたところにある店舗とはいえあまりにお客さんがこない、この売り上げで生活は回っているのか?
今日は朝一に修理した刃物を届ける仕事があったが、あのような仕事は毎日あるのか?その売り上げで稼ぐには足りていて私はそもそも給金をもらえるのだろうか?と少し心配になる
そして店内を改めて見渡してみる、暇だしついでに物色してみるといろいろ面白い商品も多数ある
大きな木の箱の中に雑多に剣が積まれておりそれを少し持ち上げてみる、12歳が持っても長すぎない刀身からするにこれがショートソードというものだろうか?ショートというのに長く感じるし何より重い、もう少し力持ちかと思ったけども大して筋力はないらしい、もう少し重いものでも持って鍛えようかな…
雑多に置いてあるだけあって少し刃こぼれしているものや重さで少し曲がってしまったものもある、これが売れるのか?値札には30ゴールドと書かれているがほかのものよりはるかに安い
少し鍛えるためや自衛のために買うのもいいかもしれない、ソード戦記の中には呪文はないがソードスキルといわれる技術がある
スキルの使い方次第でプレイヤーの強さは大きく変わり同じスキルを持っていたとしても、勝てるかは技量に関わるというものでそれも人気を支えた要因の1つである
私がプレイしたときは素早いスピードでバタバタと相手を倒すスタイルにあこがれていたが、もうプレイした時にそんな反射神経は無く、鉄壁の守りでちくちく攻撃するスタイルでクリアした記憶がある
勝てばいいのだ、自分でできないプレイは動画で見て自分を納得させていた悔しい記憶がよみがえった
そして壁一面には様々な種類の剣が飾られており、中には刀?のようなものもある
時代背景的には不釣り合いだが各国様々な剣と分類されるものがあり見ているだけで面白い
しかし値段を見ると安くて1000ゴールドから、高いもので10000ゴールドほどのものまである
そもそも昼に食べた串焼きが2ゴールドだったことを考えるとあまりにも高く感じる、給金がどのくらいもらえるかわからないが普通の剣を買うことすら相当難しそうだ
街の中でクエストなどが存在しているのならば、そこで依頼をこなすことで報酬を得られる
そうしてゲーム内ではお金を稼ぐことができる、そもそも魔物を倒すことで得られるのは経験値のみでお金は落とさない、スライムは1ゴールドも持っていないのだ、謎のリアルがそこにある
なのでこのゲームではクエストを受けるのは必須だ、そうしないと稼げないのだから強い装備を得るためにはどんな悩み事もたくさん解決するのだ
ただ街を散策した時にはゲームの中では存在したクエストを受注できるマークが見れなかったし、そもそも転生の際のステータスの確認もできなかったこともありそういったものは存在しないのかもしれない
そう考えたらダブルワークなのか?転生してまでそんなこと考えたくなかった…と少し凹む
そんなことを考えながら過ごしているとあっという間に夕方だ、もう店を閉めなくていいのかな?なんて考えていたら入口のドアが開いた




