どうやら知ってる世界みたい
登っていく外のまぶしい光を浴びながら今が朝なのを実感する
外を出ると近所の家の前で掃除をするおじいさんを発見し声をかけた
「おはようヨーグじいちゃん」
名前は自然と口から出てきた
「おぉキネラか、おはよう」
そこで自分の名前はキネラだということが発覚する、このおじいちゃんいいやつだな
「ここってどこ?」
せっかく美少年だしかわいさ出した顔で聞いてみる
「からかっておるのか?ここはハザンの町ではないか」
どうした?という心配した表情をされる、何も知らないからしょうがないんだ、ごめんよヨーグじいちゃん
続けて質問をする
「ハザン?それってどこにあるの?」
もうなんにも知らないから聞くが一瞬の恥!と思い質問攻めすることを決意する
「ははーん、さてはおぬしわしにこの国の歴史を話してほしいのか?」
このじいちゃんノリがいいな、さては話したがりか?助かります
これをチャンスと思いこのノリに合わせる
「そうそう!じいちゃんの歴史の話面白いから聞きたかったんだ」
興味があるのが顔に出ていたのかじいちゃんは嬉しそうに答える
「ここはレガリス王国の首都であるレガリスから遥か北東にある小さな町じゃ
そもそもレガリス王国はここ100年ほど大きな動きはないが南はイネーム海、北には魔王が住んでいるとされる山脈になっており、魔物も比較的多く出現するため武の国として発展しており強くなりたい、魔王を倒して名声を得たいと様々な国から強者が集まりコロシアムなどもある戦いで発展してきた国じゃな
」
なんか聞いたことのある名前ばっかり出るな…これはまさかこの世界なのか?
「ヨーグじいちゃんってことはこれはソード戦記の世界ってこと?」
素直に答えに迫る質問を投げかける
「ソード戦記?そんな歴史書はあったかのう」
それはそうだ自分の人生のタイトルなんて知るわけがないだろう、このままだと変なことをいう少年になってしまう、私は覚えている知識から答え合わせをする
「西の国はヒヨドル公国、東の国はミンシア聖王国だっけ?」
「そうじゃ、なんだ知っておるではないか」
先に言われたことがすこし悔しそうにヨーグじいちゃんは答える
「そして100年より昔は…」
とヨーグじいちゃんが話し出すが頭に入ってこない…ここは確かにあの人気ゲームソード戦記の世界のようだ
ソード戦記とは一世を風靡したRPGである
硬派なアクション性と王道ストーリーが売りのゲームで、色物タイトルばかりが出る昨今のゲーム事情にユーザーは嫌気がさしていた
そこに突如として現れた大型タイトルに飛びつかないわけはなく、全盛期には全世界で1000万本を超え大人気になっていたとニュースも見た気がする
ソード戦記というタイトルからわかるように剣に重きを置いたゲームで、基本的には剣のスキルで勝負するゲーム性で、魔法は存在したがバフやデバフ(強化呪文や弱化呪文のこと)しか存在せず、朝食に使ったファイアなんて呪文は存在しなかったはずだが?
そしてかくいう私もユーザーの一人であり家をきれいに飾ったりなどして楽しんでいた記憶がある
根強いファンは多くいまだにアクティブユーザー数も多いとの噂だ
と物思いにふけっていると現実に戻される
「おい!キネラ!聞いておるのか?」
「ごめんよ、じゃあ用事があるから僕はこれで!」
話が長くなりそうなので聞きたいことは聞けたしここで退散する
「おぉ、もう仕事の時間か?気を付けるのじゃぞ」
仕事?こんな若いのに仕事してるなんてキネラ君はえらいなぁ
身体が勝手に動くだろうと思いとりあえず歩き出す
街の探索もしたいしどのくらいの規模かも確かめたい
ハザンの街、ソード戦記の中にそんな街あったかなぁ…確かにラスボスあたりにそんな街があったような?
あまり印象にないことから多分メインストーリーに関係はない街だと思う…でもそもそもプレイしたのが昔すぎて覚えてないんだよなぁ
と考えながら歩くと大通り?のような部分に出る
まだ日の上り的にはだいぶ早い時間だと思うのだがみんな活発に動いている
そうしているといきなり体が勝手に動き出す
抵抗しようとしてみるが、なにもできない まるで何かに操られているようだ
そのまま大通りを歩いてしばらくすると細い路地に向かう
もう少し歩くとある店の前で立ち止まるのだった…




