大塚君とテスト
今日はテストが帰ってくる日。
やだなぁ、手に変な汗をいっぱいかいてる。
僕の名前は大塚だから、名前順で早めに呼ばれた。
先生からテストを受け取り、震える手で恐る恐る紙を開く。
うわっ38点!
がびーん。
僕、頑張ったのになぁ。
僕が石化していると、隣の席の女子、辻原あかりが話しかけてきた。
「大塚、テストどーだったぁ?あたし全然ダメ。」
「僕もさんざん・・・。」
「じゃあ、いっせーのーせで、見せあおっか。」
「うん・・・・。」
僕らは驚いた。
辻原も38点だった。
「うっわ、すごい偶然。こうなったら二人でローニンしよっか。」
「そんなのダメ!」
僕はきっぱりと言った。
辻原は目が点になった。
「二人で卒業しよう!」
あれ、僕何言ってるんだろ。
周囲からヒューヒューと囃し立てられた。
体温がぐわーっと上がって、テストの答え合わせどころじゃなかった。
「ったく。大塚は可愛いんだから。じゃあ早速、二人で勉強だ!」
これが僕と彼女が付き合い始めたきっかけだった。