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十六話-3
-如月視点-
退院まで一週間はかかる
それが医者の下した診断だ
冗談じゃないと思った
私は今すぐにでも退院出来る
今日中に退院出来ると言うなら待ったかも知れないが
それでも、遅過ぎるぐらいだ
だから、私は病院から抜け出した
幸い病室は病院の裏側でばれにくいと思った
両親が間違えて持ってきた着替えに着替えて
ハンドガンのマジックツールが入ったポーチを持っていった
このポーチは長月ちゃんと皐月君が買ってくれた私の宝物だ
忘れ物の多い私だからそこに大切な物を入れていつも持ち歩けと言われた
言わた通りに私は財布とか学生証とかをポーチに入れていつも持ち歩いていた
だから、ハンドガンもここに入れていた
そして、そういう大切な物だから両親は持って来ていた
ありがたい事だと思った
まるで、私にツキがきているみたいだ
そんな様々な要因が重なって
私は病院を抜け出す事にした
本当は夜まで待とうと思ったが、夕方になり、人の数が少なくなった事でチャンスだと思い
実行に移した




