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十六話-2
-総合病院、237号室-
ア然…絶句
そういう言葉を使うのがこういう場合相応しいのだろう
その部屋には四つのベットがあった
一つのベットには皐月
一つのベットには長月が
眠っていた(この場合眠るという表現が正しいのかわからないが)
ベット間にはカーテンがあり
そのカーテンはマジックツールの一種で
のぞきや望まない人間の侵入をシャットダウンする
故に一つの部屋に男女混合でも、あまり問題にならない
…話が脱線してしまった
話を戻そう
そのカーテンがかかっていないベットが一つある
そこは空きベットと言うやつだ
そして、残ったカーテンのかかったベット
窓際だ
そこが、如月のベットとなる
しかし、カーテンの中に入ってみると…
ベットには誰もいなかった
ただ、単に出歩いているだけかも知れない
普通ならそう思う事だろう
しかし、ベットの上には枕以外ほとんど何もなかった
そして、窓のカーテンにはシーツらしきものが結ばれていた
ここまで説明すればお分かりになるだろうか
シーツなどが結ばれロープのように下まで垂れている
ちなみにここは二階だ
そんなに難しい事じゃない
何が?
決まっている
脱出する事だ




