91/144
十五話-5
…対策室
納得は出来ずも
八島はなんとか割り切って、警察組織の人間である事を選んだ
「どうだ、はかどってるか?」
秋里が声をかけると
八島が作業を中断し秋里に向き直った
『これで終わりです』
「そうか、あまり無理はするな」
そう言って、八島の肩を叩いた
そして、八島を通り過ぎた時だった
『あれ?』
八島の声に反応して秋里は八島のほうに向き直る
「どうした?」
『いや、おかしいんですよ』
今度は八島は振り向かない
八島は先の学校襲撃事件の被害者の身元を整理していた
『行方不明者の…夜代 幻夜の資料が無いんです』
「…行方不明者だから、まだなんとも処理出来ないって事じゃないのか?」
『まさか、そんな訳ないでしょう?』
冗談を言ったのだと思い八島は笑いながら言った
「…じゃあ、俺が調べとくよ」
『そういう訳にはいきませんよ
俺が何とかします』
「そうか」
その時の秋里の表情は背中を向けている八島には見えなかった
第15話 Not end




