十五話-4
円は僅かにかけていた
人一人が入るスペース分だけだ
そして、皆は俺を見ていた
それぞれが少しずつ違った光を宿して
そして、その中で葉月は不安そうにしかし何かを訴えるような目をしていた
俺は少しの間、絶句していた
どれだけの間そうしていたかわからない
でも、不思議と口から笑いがこぼれた
『ふ…ふははっ…
ははははっ……はぁ…』
俺は脱力したようになった
しかし、すぐに持ち直した
そして、皆を見た
今度は直視で
『どうして……特進クラスなのにこんなに馬鹿がいるんだろうなぁ…』
俺はそう呟くと円陣に近付く
『ま、俺も人の事は言えないがな』
そう言って、俺は円陣の中央に手を置いた
若干、芝居がかってたかな、と内心自嘲した
(どうって事はない…つまるところ、俺は……ビビってた…って事か)
『さて、じゃあ、早速だが、
これからどうする?』
俺は皆に聞いた
時間自体は皮肉にも、学校があんな事があったおかげでまた休みに…結構長い休みになった
しかし、あてがない
しかし、間髪入れずに文月が答えた
「それについては、とりあえず
一つ案があるわ」
『何だ?』
「話を聞くのよ」
『誰に?』
「連絡があったわ
もう、面会可能よ
如月さん」




