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十四話-5
「いいか、八島
お前が自分の正義とやらを魔法警察に照らし合わせるのはいい
だがな、それは、自分の正義じゃないって自分の役割を放棄するな!」
『そんな…俺は…』
「俺達が守るのはお前の正義じゃない
魔法警察の正義だ」
『っ…』
「出来ないなら辞めちまえ
…俺達を敵に回してな」
そういうと八島の胸元を粗く手放すと無表情になり、煙草の続きを吸った
『…敵、ですか…』
「ああ」
『じゃあ、俺は…先輩達にとってファントムと同じと…?』
「…そうなるのならな」
『じゃあ、先輩はどうするんですか…?
俺がそうなったら』
秋里は少し沈黙して
胸元に手を入れ、魔法銃を取り出した
「撃つ
お前を」
銃口は八島の額に向いていた
『…っ……』
「…俺だって納得は出来ねぇよ
だけど、割り切れ
そう言ったはずだ」
「…クソッ!」
八島は拳を机に叩きつけた
秋里は無表情のまま報告書を見ていた
行方不明者の欄に書いてあった名は夜代 幻夜だった
第14話 Sin




