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二話-1
その日はいつもより、遅めに起きてしまった
遅刻ギリギリだとわかってはいたが
低血圧である俺はあえて急ごうとせず
最低、一時間目に間に合えばいいや
なんて、マイペース過ぎる事を考えてながら
ShutDownしていた脳内回線を開いた
『…ん?
Mailが三つ、か
親父達と…葉月?』
俺は現在通っている学校に通う為に
親元を離れて仕事の都合とかで家族揃って海外に行っている叔父の家に一人暮らしさせてもらっている
家事等は一人でやらないといけないし
面倒な点も多いが
こうやってのんびり出来るのは悪くない
『…なんだこれ?』
両親からのMailは俺の安否を気遣うモノで
葉月からは今日は臨時休校になったとの報せだった
とりあえず、両親には大丈夫だとだけ返信しておいて
葉月には詳しい事を聞く為にCoalする事にした
『Coal=葉月 耶恵-ハヅキ ヤエ-』
しばしの沈黙の後
回線が繋がる感覚があった
-「あれ?由樹くん?」-
『葉月か』
葉月 耶恵は俺の同級生だ
だが、性格や見た目は幼く見え
おまけに声も舌足らずと言った
あまり、同い年には見えない女子生徒だった