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十三話-2
少女の右手にナイフが現れる
黒い刀身のダガーナイフだ
チリンと鈴の音が鳴る
それと同時に少女は距離を詰める
少女はナイフを突き出すが黄泉の額の手前で強い反発力により静止し、
跳ね返された
「…思ったよりも固い」
黄泉が車椅子に仕掛けた何重にもなる魔力のカーテンだった
「無防備に!」
黄泉が手摺りのトリガーを引く
手摺りから開いた穴から圧縮された粒子が熱を帯びて放出された
所謂、ビームのようなものだった
少女は避けようとせず
かわりにナイフを持っていない左手を突き出した
ビームは少女の手前で分解されて少女に届かない
「…!?
バリアーや結界の類いじゃない…
これが……これがアンタ達の力なのか!?」
少女は答える代わりにナイフを黄泉に向ける
僅かな沈黙の後、少女は再び跳躍した
だが、今度は直接突っ込まず
左手に圧縮した粒子を放つ
「コピーされた?!
くッ……!!」
黄泉は少女の放ったビームを受け止めたが
少女は次の行動に移っていた




