一話-5
私はCoalを使っている優乃を置いて
先に帰る事にした
…帰ろうとした
その時だった
-ドパァアンッ-
破裂に似た爆発音が聞こえたのは
道路の真ん中で爆発が起こった
そして、その爆発に巻き込まれた車が進路を捩曲げられ
歩道へと突っ込んだ
そして、それは私への直撃コースだった
『え……?』
魔法を使えば、逃げたり、守ったり出来るがあまりに突然の出来事に私は頭が真っ白になってしまった
(…私…死ぬ…?)
刹那の思考だった
-…チリン-
何故か、鈴の音が聞こえた
(でも……いいや、どうでも)
私は間に合わないと悟ると
あっさりと諦めた
「FULL-Axelッ!」
-ドガァアアアンッ!-
……
「大丈夫!?
大丈夫か、サキ!」
『優……乃…?』
「よかった…意識はあるんだね」
『あ……?』
(私は…助かった…?
ああ…そうか…確か、あの瞬間…優乃が…来て…助けられたんだ…)
突然の出来事で処理能力が停止しつつあった脳を起動させ
突っ込んだ車を見ると炎を纏い燃えていた
…多分、搭乗者は助からないだろう
そして、炎の先に白い影が見えた
…夜代 幻夜のマフラーだった
夜代は私と目があうとそのまま私を見つめていた
私が目をそらすと
その間に、夜代は消えていた
まるで、幽霊みたいに
第1話 March&December