九話-7
「残念ながら、我々では学校に潜入調査するのは難しい
どうやっても不自然な形になってしまうからな
だから、君達に頼む事になった」
「…私達の中にBLACKGHOSTが居ると言う可能性は?」
文月は口にしづらい疑問を口にした
「その可能性は無い」
「断言、ですか
低いではなく、無い、と?」
「事情聴取の際、検査を受けて貰ったはずだ
全員、奴の持つ魔力流動帯とは異なっている」
魔力流動体…人が魔法を使う際変換する魔力
その魔力を自らに留める為、自分自身の身体の周囲に魔力を循環させ、貯蓄する流れを作る
それが、魔力流動帯
全ての人間が持ち、しかしそのパターンが同じ者は自分以外誰もいない
確かにそれで検査を行えば明らかになるだろう
「成る程、
でも、それは危険な行為をする事になるんじゃないかな?」
師走の言った事はもっともだ
特進クラスで他の学生よりは魔法の扱いが上手いとは言え、所詮俺達は学生だ
「…それは、承知している
だから、希望者だけでいい
参加してくれるなら、それなりの報酬は約束するし、
参加しないなら、それでも構わない
…俺はそうとしか言えない
無理強いする訳にはいかないからな
…君達の協力が捜査に不可欠であっても」
第9話 SELECT




