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九話-6
「貴女の疑問はもっともです
しかし…」
「…君達だから出来る事だからだ」
秋里刑事が割り込むように話し出した
「先…」
秋里刑事は八島刑事に掌を向けた
ここからは自分がやるという意思表示のようだ
「…どういう…事ですか?」
弥生は睨んでいた
しかし、その瞳は涙を流しそうなくらい潤んでいた
「SSSランク指名魔法使い…通称BLACKGHOST
君達は見ただろう?
奴を…」
(最後に現れた…あの幻影みたいな…アイツか…)
「我々は、奴は"ファントム"の一員だと認識している」
まぁ、妥当な判断だろう
「そして、捜査の中で我々は…奴の情報を掴んだ
奴は君達の…学園に居ると言う情報を」
「ッ………!!!」
声にならなかった
(あのテロを起こした奴らの一人が…俺達の学校に!?)
しかし、そう考えればつじつまのあう部分がある
外部の者が学校にマジックキャンセラーを設置するのは難しい
あれは魔力の流れやら、その場所の特性を知る者でなければ扱いは困難なのだ
だが、内部の者の協力を得れば案外簡単に出来てしまう部分もある
そう考えると有り得ない事じゃない




