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九話-3
「久しぶりね
エリサちゃん」
「…久しぶりって言う程、前だったっけ?
まぁ、久しぶり
エリサちゃん」
「あ、久しぶりです
お姉さん…とお兄さん」
卯月が微妙な顔をしている横で睦月は笑いを堪えていた
「ぷ…くくく…!
と、ところで、どうしたの?今日は?」
「あ…えっと…
その…」
エリサはチラっと兄の顔を見た
「…お兄ちゃん一人だと心配だから…」
夜代からすれば気持ちのいい事では無いだろうが夜代は素知らぬふりをしていた
「ふーん…いい子じゃないの
ねぇ?」
「え、あ…うん……」
卯月は返答に困っているようだ
その時、部屋に刑事が二人程入って来た
一人は見覚えがあった
俺達の救助に来た刑事だった
「あー…皆さん、お揃いのようで…
俺…じゃなかった
私は秋里と言う者だ」
見覚えのないほうの刑事はどうやら、敬語を使おうとしているが苦手らしい
「…先輩
それじゃあ、何処の秋里さんかわかりませんよ」
「む…まぁ、待て八島
えーと、私は対テロ対策室の刑事だ
…君達の事は妻から聞いている
出来れば、妻と同じような感じで接してくれれば嬉しい」




