46/144
七話-7
…………
僕の出番など始めからなかったのかも知れない
僕は…そう
ただ、見とれていればよかった
その姿に
例えるなら…
駆ける姿は黒猫
宙に舞う姿は烏
その強さは黒豹
でも…違う
そうじゃない
彼の本質は
もっと別のモノ…
…漂う姿は亡霊のようだ
…亡霊?
ああ、そうか
彼は地に足がついていない幽霊なんだ
だから
そんなにも哀しい瞳をしているんだ…
…黒い幽霊さん
その場所とは違う
何処かで
誰かが
消え入りそうな言葉で
呟くように
その名を呼んだ
「………BLACKGHOST………」
第7話 irregular




