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一話-2
『あんまり、優乃には似合ってない
そんな台詞』
彼はごまかすように
あはははと、笑った
彼の名前は師走 優乃-シワス ユウノ-
私の幼なじみであり、
クラスメート
女の子みたいな名前をしているので、男みたいな名前をしている私と一緒にいるとよく名前を間違えられる
それに、彼は男子にしていては華奢で
身長も私と1、2センチしか変わらない程低い
多分、髪をのばして
女装すれば女の子に見えるんじゃないだろうか?
「でも、よく眠ってたね
夜更かしでもしたの?」
彼はその顔にしては大きめの黒縁眼鏡を上げながら言った
『…そんなところ』
「ふぅん…
でも、夜更かしはお肌の敵って言うだろ?
ちゃんと、寝たほうがいいよ、サキ」
『…大きなお世話です!』
私の名前は弥生 小樹-ヤヨイ サキ-
普通に呼ぶ分にはおかしくはないが
名前を書くと小樹
なんだか、男の子みたいだって、子供の頃から思ってたし
名字もなんだか、名前みたいで
名前と名字を逆だと勘違いされる事も多かった