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六話-4
「見付けたよ
…1階のほうだね」
『そうか…』
俺は…葉月の持つ一枚のカード…
このキャンセラーライセンスが俺達の命綱だと思うと不安な気持ちが広がっていた
「なぁ、思ったんだが
この人数で動けば見つかり易くないか?」
「僕も、そう思うね
ライセンスは一つしか無いんだし
先に安全な場所を見付ける必要があるんじゃないかな?」
霜月の意見に師走が賛同した
「なに…言ってんだよ…!!
二人がどんな状態かわからないのに…そんなの…」
憤る長月に師走が歩み寄る
「な、なんだよ…」
「確かに二人の事は心配だよ
けど、少しは他の人の事も考えてはくれないかな?」
口調こそ穏やかだったが師走の言葉は威圧的だった
「何が………あ」
俺にも師走が誰の事を言ってるか理解出来た
弥生だ
思えば、弥生は教室にあの黒づくめが入ってきて魔法銃を発砲した時から怯えたままだ
「…わかったよ
何処か、探そう」
「探すと言うか、実は目星を付けてる場所があるんだ」
師走はいつもの調子に戻ると、
ある教室を指差した
そこは第3準備室と呼ばれている場所だった




