20/144
四話-1
…翌日
夜代君は休んだ
何でも、例の妹さんの件でやらないといけない事があるとか、と
由美先生が言っていた
「それにしても、夜代にあんな妹がいるなんて思わなかったなぁ、如月」
『そうだね、長月ちゃん』
彼女は長月 夢菜-ナガヅキ ユメナ-
男の子みたいな喋り方だけど
ちゃんとした女の子だ
「絶対、一人っ子だと思ってたんだけどなぁ、オレは」
『もう、長月ちゃん
昨日からそればっかりだよ』
「だってさぁー
夜代は…あーゆー奴ってだいたい…その…何てゆーか…なぁ?さっちゃん」
「え?何?」
「オメー、話聞いてなかったのかよ?」
『長月ちゃん、いきなり皐月君に話振っちゃあ可哀相だよ』
彼は皐月 義名-サツキ ヨシナ-
みんなからはさっちゃんって呼ばれてるけどれっきとした男の子だ
「ああ、そーだな
さっちゃんは可哀相な子だからなぁ…」
「…それ、どういう意味だよ?」
「いーやぁ…
たださっちゃんは…」
『あーもう…ストップストップ!
これ以上は喧嘩になっちゃうよ!』
「………」
「あはは…ゴメンゴメン
つい悪ノリしちゃったよ、如月
許して?」
「…謝るのは如月に、なのか?」




