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国外追放なんて困ります!

これは、外見悪役令嬢の主人公シルヴィアが、お馬鹿さんたちを温かく見守る物語です。

また、勢いだけで書いているので、細かな点は目を瞑っていただけますと助かります。

ざまぁは恐らくありません。

不定期投稿です。


「シルヴィア・アルバート公爵令嬢、私は君との婚約を解消させてもらう!そしてソフィア・アルバート公爵令嬢との婚約をここに発表する!」


セイルシア国、カルアスフィア学園。

卒業生の為に開かれた学園のパーティで私の婚約者であったはずの王太子である王子、ロナルド・ヴィンクレット殿下は私……いえ、私含める周囲の者たちに告げました。

金髪碧眼で如何にも物語から抜け出したかのような容姿をした殿下の横には、同じように物語から抜け出したような美少女である私の義妹、ソフィアが守られるように立っている。その周囲には、ソフィアの取り巻きである、星のように美しい銀髪の宰相子息であるレイル様や、燃えるような赤毛の騎士団長子息のヴァン様、深い森のような深緑の髪の隣国王子カナン様に、星一つ無い夜を思わせる漆黒の髪をしたセツ先生。

ふわふわのピンクブロンドの髪に兎のような紅い瞳、小柄で大変可愛らしい容姿のソフィアはオロオロとしたようにロナルド様を見つめていた。内心は笑っているのでしょう。

色々と言いたい事はありますが。卒業パーティを台無しにした上に、私はロナルド様とは違ってもう1年学園に通うんですけどとか。

けれどそんな事はどうでもいいのです。

黄金の強気縦ロールに、人からは絶対零度の瞳と呼ばれるアメジスト色の瞳。そんな周囲から「物語の悪役令嬢みたい」と言われる、ある意味でロナルド様とソフィアと同じ私は2人に向かって笑みを浮かべた。


「以前からソフィアと過ごす時間が多いと思えば……そういう事でしたのね」


分かってはいました。

分かってはいたのだけれど様式美という物はあるので改めてロナルド様とソフィアの事を口にしただけで。

ロナルド様はソフィアを抱き締めた。

ついに来たようです、私は婚約者を失い腫れ物扱いされ、反対にソフィアが祝福される時が。


「それからシルヴィア、ソフィアに対する数々の嫌がらせの罪をここで断罪させてもらう!」


ロナルド様はそう言うと、取り巻きと共に私には一切の身に覚えの無い罪の数々を挙げ連ねました。


「特にソフィアを階段から突き落とした件については、命に関わる事だ!」


ソフィアなら華麗な着地を見せそうだけど…。

私は庭の木からソフィアが落ちそうになった時、慌てて駆け寄ろうとしたら見事な着地を見せたソフィアを思い出していました。

一切の釈明も聞いてもらえない事は分かっていたので、ひたすら黙って聞いているしかなく。

そして最後に。


「よってシルヴィア・アルバート公爵令嬢の国外追放をここに宣言する!」

「え!?」


国外追放!?ちょっと待ってください!?

私は慌ててロナルド様へと叫ぶ。


「ロナルド様お願い申し上げます!国外追放だけはどうか猶予をくださいませ!アルバート公爵家は現在親類にも男子がおらず、私が居なくなりソフィアが王太子妃となればおしまいです!私が跡を継ぐとは言いません!ですがどうかせめて、男子が生まれるまでは国外追放は待ってください!」


私の言葉にロナルド様は何かを考え始めた。

アルバート公爵家はかつて何度も王族の降嫁もあった家柄だ、そう簡単に無くなっては王家も困るはず。

ソフィアは国外追放を望んでるのかもしれないけれど、ここで更にダメ押しで告げました。


「何より、私はソフィアを苛め抜き、ロナルド様の婚約者を降ろされた身……貴族のみならずここには平民の方もいらっしゃいます。そんな中でこのような事態になった私への何よりの罰は、嘲笑を受けながら生きてゆく事ではないでしょうか」


ソフィアは私の言葉を聞いて一瞬意地悪く笑い、ロナルド様にしか聞こえない声量で何かを告げた。


「……分かった、国外追放はやめてやろう。学園へ通う事も、社交界への出入りも今まで通りするがいい。だが!アルバート公爵家の血筋に男子が生まれるまでに後妻にでも受け入れてくれる先を探しておくんだな!それが出来なかった場合、シルヴィア、君には平民になってもらう!」

「有り難きお言葉…!ロナルド様……いえ、ロナルド王太子殿下の慈悲深きお心に感謝致します…!」


本当に……本当に国外追放にならなくて良かった…!最悪男子が生まれるまで伸ばしてその間に対策考えようとも思ったけど、そうならなくて良かったです…!

だって私はこの日の為にずっと準備していたんですもの。



そう、ロナルド様とソフィアの2人を、これからもずっと見ている為には国外追放なんてもってのほかです。



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