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最後の1ピース  作者: 四月いつか
第1章 父の告白
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実家

姉が車庫に車を駐車している間に僕は先に母の待つ実家に戻った。


『お帰りなさい。疲れたでしょ?』


母がいつもと変わらない笑顔で出迎えてくれた。

僕は顔や性格、ちょっとした仕草や表情までもが母にそっくりだと周りの人から言われていた。

そんな母のDNAを引き継いだ僕を母は溺愛した。


姉から聞いた話だが、独り暮らしを始める為に僕が家を出た当初、母は自分の部屋でよく泣いていたらしい。

4月に家を出てまだわすが4ヶ月程しか経っていないが母は僕の帰省を本当に喜んでくれた。


『姉さんにも話したけど、あっちの暑さはホントにキツイんだよ。こっちとは全然違う』


『こっちは瀬戸内の気候だから夏でも割りとカラッしてるのよ。あっちは盆地だから暑さが籠っちゃうじゃない?』


そんな会話から始まり、僕が暮らしているA県の事、日々の暮らしの事、学校の事。

母は止めどなく知りたがった。

僕は少し疲れていて部屋で横になりたかったが、母に寂しい想いをさせたくはなかった。


戻ってきた姉が助け船を出してくれた。


『母さん、また夕飯の時に色々聞かせて貰ったら?律、疲れてるんだから』


『夕飯出来たら呼びに行くわね。それまで部屋で休んでなさい』


『うん、そうするよ、ありがとう』


「疲れているであろう僕を気遣えなかった」という気持ちに苛まれたのか、

『そうね・・・ごめんね、律』と、とても寂しそうに母が詫びた。


僕は母に対し少しやりきれない気持ちを抱えたまま自分の部屋に戻った。

在来線で5時間かけて帰省した僕の身体は自分で思っている異常に疲弊していたのか、ベッドに横になったまますぐに眠ってしまった。


そしてスマホの着信音で目が覚めた。

僕は画面に映し出されている名前を見て少し動揺した。

番号を登録して以来、一度も発信もしていないし、着信もなかった相手からだった。


電話の相手は


父だった。


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